〔随想・他〕                               HOMEへ戻る

               ボン地で暮らして30年                 

                                   (福島盆地’97.9


 東京暮らしに音を上げて、ふるさと相馬で根が生えず、福島盆地にやっと落ち着く。いまやこの地を離れては、なりわいが立たず、根を生やして、はや30年。30万都市(正確には7月末で、286,838人)の快適さ、自然条件のきびしさとやさしさ、くだもののうまさ……。福島の魅力、暮らしやすさをかぞえあげればきりがない。が、つきつめれば都市の魅力は、そこに住む人の魅力につきる。わが福島盆地は、この点でも及第点だ。

 街を5分も歩けば知り合い(私の知り合いは魅力満点の人ばかり)の2〜3人には出会うし、なにか分からないことがあれば、電話一本でたいていのことは見当がつけられる(私の知人は、親切で専門性の高い人ばかり)。福島の歴史や自然について疑問が生ずれば、ボン地を歩く会の門をたたき、諸先輩の後をヨチヨチついて歩けば、難問・奇問・愚問、ただちに解消することマチガイナシ。

 足もとを少し掘り下げれば、先人たちの生活ぶりをかいま見ることもできるし、秋山政一先生の解説を聞きながら、想いは近世から太古にまでさかのぼることもできる。

 今ハヤリの情報発信という切り口からいえば、古来、ボン地は小宇宙であり、個性と独自性豊かな文化圏であったのだ!これからも個性あふれる情報を大いに発信すべし!と説く高遇な哲学徒にも会える。

 ありがたきかな、福島盆地と「盆地を歩く会」。                 
                            

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