例   言


  未定稿をあえて刊行にふみきったのは、大方の叱正により、補訂の機をえようがためである。

 1896年から1963年まで、秋声の作あるいは人に言及する文章を網羅しようとするものであ るが、つぎのものは除外した。
  辞典、文学史、年表、文学概論、教科書、そしてこれらに類する記述。ただしとくに注目されるも のは編入した。例=杉山平助『文芸五十年史』昭和17年1月、鶴書房刊。
  新聞記事で一般報道としてあつかわれたものをはぶき、学芸欄などで署名(匿名をふくむ)あるも のはいれた。
  秋声の談話筆記はのぞくが、インタビューなど執筆者との問答や印象の記述があるもの、また対談、 座談会の記録はあげた。
  表記はつぎにしたがう。
  頭記の数字は刊行物の発行月(雑誌は月号)つづいて著者(筆者、編者、談話者)そして発行所 (掲載誌紙)の順。
  改行して表題。副題は――印のつぎに、コラムやシリーズは< >で、特集は《 》でしめす。単行 書は書名『 』のあとに該当の篇題、〔 〕内はその章題あるいは小見だしである。
  他の編纂になる場合、該当文の執筆者を標目とし、その篇目のあとに書名、ついで( )内に編者 をいれた。例=亀井勝一郎(河出書房)「縮図」『名作をいかに読むか』(山本健吉・編)
  同一単行書、あるいは雑誌特集などで、筆者を異にするものがつづく場合は、刊月(月号)書名 (誌名)などを・印で省略した。
  個人全集で各種の版に重出するものは一種にかぎった。例=夏目漱石、菊池寛など。
  ※印は編者の注記。
  ←はこの項以前に発表された場合。
  →は以後の刊行物をしめす。数次にわたる重出の場合は、もっとも近接する時点だけをしめす。
  ←をさかのぼることで初出をみることができる。
  秋聲の声をはじめとし、固有名詞に新字体をあてたが、仮名づかいは原文どおり。



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