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それは、骨髄バンクに登録してから6年が経ったある日の事。
定期的に(財)骨髄移植推進財団から送られてくる会報とは違う、
A4サイズの大きさの封筒が届いた。
ピンクの封筒に「重要」「親展」の文字がある。
・・・実は、これが届いていた事に気づいたのは
受け取ってから2週間後だった。
ちょうど大量のDMにまぎれていたので
気付かずに放置してしまった・・・。
気付いた時は一瞬「しまった」と思った。
・・・が、今さら騒いでも仕方がないし、
とりあえず中を確認する事が大切。
中に入っていたものは以下の3点。
@『骨髄ドナーコーディネートのお知らせ』
HLA型(白血球の型)が一致する患者さんがおり、
ドナー候補者のひとりに選ばれたという内容の文書。
コーディネートを希望する場合としない場合の流れと
連絡先の電話番号が書いてある。
A『問診票』
これ以外にも「記入前に必ずお読みください」という文書が3枚。
これによると、外国(欧州)に滞在した経験があるとドナーになれないケースがあるらしい。
問診票は合計8枚で、性交渉に関する事項などのかなりプライベートな質問もある。
個人的には正直に回答できるる内容だったが、
同性愛者かどうかに関連する質問もあって内容はかなりハード・・・。
B『骨髄提供者となられる方へのご説明書』
今後の流れや病気について、ドナーについてなどが詳しく書いてある小さな冊子。
詳しいのはいいが、文章が難解で読みにくい・・・。
「補足事項」としてB4の4枚つづりのデータがある。
ドナーになった方へのアンケート結果やドナーの健康被害について書いてある。
既に提出期限の2週間が過ぎている。
急いで財団に電話連絡をし、早急に返答しますと伝え、
その後、問診票を記入し、返信用封筒に入れて財団へ送り返した。
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問診票の返信から2日後。
今度は小さな封筒が届いた。
そこには担当コーディネーターさんと調整医師が決まったという事と、
おふたりの氏名、所属先、連絡先が書かれている。
コーディネーターさんは財団所属の方のようで、名前から察するに女性。
調整医師は近隣の大学病院の血液科の医師。
今後の連絡や問い合わせは全てこのコーディネーターさんを通して行うらしい。
こちらから問い合わせる事もないと思うが、一応覚えておこう。
最後の方に、コーディネートが終了するまでは献血を控えるようにと書いてあった。
血液一般検査の結果に影響が出ることがあるそうだ。
今後献血の予定はないので問題なし。
さて、周囲の準備は整ってきたようです!
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前回の封筒が届いてから6日後。
お昼過ぎ、携帯電話にコーディネーターさんから連絡が入った。
ちょうどその時、午後の仕事の準備をしていて僕はでられず、代わりに妻が電話を受けた。
向こうはかなりびっくりしていたらしい。
・・・そりゃそうだ、男の人の携帯電話にかけたはずのに、出たのは女の人だもんな(^^;)
というわけで、事情を聞いた妻からバトンタッチ。
まずはコーディネーターさんにご挨拶を頂いたが、
非常に感じの良さそうなコーディネーターさんでほっとした・・・。
声からは明るくて元気な印象を受けたが、
こちらに配慮している感じのしゃべり方だなぁ・・・と感じた。
きっと、毎日寝る前になって「あの時はああすればよかった・・・」などと考えるタイプの人だと思う。
肺気がよく巡らず、おそらく色白で華奢な体形だと考えた。
このコーディネーターさん、
東洋医学的に言えば
肺虚陽虚証体質だと思うよ(^^)
↑
一応、鍼灸院のホームページですから(^^;)
電話の声で診察してしまうのも職業病かしら・・・。
さておき。
最初に本人の意思確認と家族の意思確認について質問された。
両親は遠方なので電話で連絡しておいたし、
姉もこれまた遠方に住んでいるので一応話をしておいた。
(父親はあまり乗り気ではなかったが、とりあえずOKをもらっていた。)
それに関して問題なしと伝えると、非常に安心した様子だった。
その後、血液一般検査についての説明。
調整医師の所属する大学病院での血液検査をいつに予定するかを話し合い、
1ヵ月後の数日を予定日とした。
なぜ「数日」かというと、調整医師の都合や病院の都合もあるらしい。
結構融通は利くのかな?と考えていただけに、向こうの都合に合わせるのは少し面倒くさい。
次に、採取まで辿り着いた場合の話。
私的な都合があって採取のための入院が出来ない期間の確認をして、
今から3〜5ヶ月先という事にしてもらった。
この辺はこちらの都合を最優先させてくれるらしい。
思いっきり私的な用事で実施できない期間を伝えたが、快く承諾して頂けた。
入院する病院は県内だと2軒ある大学病院のどちらかになるらしい。
ああ、血液検査をする大学病院とは限らないのね・・・。
さらに、「入院予定日にそのどちらもベッドを確保できなかった場合は
隣県の病院になってしいますが、それでも良いですか?」と尋ねられた。
そりゃ、どちらかといえば嫌。
近い病院の方が家族も安心するし、僕も入院しやすい。
でも、どうしても空いていない時は仕方がないのでそれでもOK、と伝えておいた。
今日のやりとりはここまで。
電話していた時間は10分ほどだった。
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コーディネーターさんから2回目の電話。
今度は職場にかかってきた。
・・・が、あいにく忙しい時間帯で対応できず、
時間を指定して数時間後にかけなおしてもらった。
今回も前回同様、血液一般検査の日程調整。
新たな候補日が追加された事の報告だった。
時間にすると3分ほどの会話。
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14日目・・・3回目の電話で血液検査の日程が決定!
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午前中にコーディネーターさんから電話が入った。
・・・が、またまた忙しい時間帯で、2時間後に再びかけなおしてもらった。
内容は血液一般検査の日程が決まった事の報告だった。
9日後の午後12時30分、○○医大病院の正面入口にて
コーディネーターさんと待ち合わせする約束をした。
9日後なら仕事の都合もつけられるのでOK。
血液検査の際に、最初に送付したピンクの冊子(骨髄提供者となられる方へのご説明書)を
持参してくださいと言われた。
忘れた時やなくしてしまった時にはコーディネーターさんが
新しく用意してくれると言っていた。
その冊子ならしっかり手元にあるので大丈夫。
その話が終わると交通費の話になり、大学病院までの交通手段を聞かれた。
「自家用車で行こうと思っている」とお伝えすると、
「交通費は支払いますで距離数を測って来てください」とお願いされた。
ただし申し訳なさそうに「1km=10円で計算するので小額になりますが・・・」
と言っていた。
交通費は最初から期待していないので(笑)、
金額に関して特に異論はないですよ。
交通費の請求書に捺印をしてもらう場合があるとの事で、
印鑑の持参もお願いされた。
コーディネーターさんは
「正面入口で骨髄移植のパンフレットを持って立っているので声をかけてください」
と言っていたが、
初対面の人にいきなり声をかけるのって結構勇気がいるよね・・・。
この辺はもう少し気軽に会えるようにしてくれるといいなぁ。
とにかく、日程が決まったからには風邪ひかないように気をつけよう。
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先日電話で伺った通りの内容の文書が送付されてきた。
表題は
「確認検査(面談)日のご案内」
というもの。
日時と場所、担当の調整医師とコーディネーターさんの氏名が記されている。
持参をお願いされていた冊子と印鑑についても記載してある。
その他の注意事項として、
『採血前夜は飲酒を控えて睡眠を十分取ってください』
という項目もある。
お酒は普段飲まないので問題ないですが、
十分な睡眠は・・・仕事の都合もあるのでわからないなぁ。
たぶん問題なくたくさん眠れると思うけれど(笑)。
もう一枚、採血をする病院の地図がついていた。
さて、採血は来週です!
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コーディネーターさんから3度目の電話。
内容は前回と同じで、確認のための電話だった。
特に体調にも変化はなし。
時間にして2〜3分ほど。
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夕方、コーディネーターさんから電話があった。
「お変わりはないですか?」
と聞かれたが、実は少し風邪気味で
知り合いの内科でカゼ薬を処方してもらっていた。
・・・俺だって薬ぐらい普通に飲むぞ。
鍼灸師だって医者にはお世話になるの(笑)。
自営業は体調管理が大切だからね。
で、その旨をお伝えしたが、コーディネーターさんの様子がかわり、
「どんな薬を飲んでいますか?」
「何種類くらい飲んでいますか?」
「今現在の体調はいかがですか?」
など本当に小さな変化まで根掘り葉掘り聞かれた。
カゼって言っても大げさなものではなく、少し鼻水が出ていた程度で発熱もなし。
証で言えば肺虚寒証で、
風邪(ふうじゃ)が太陽経という体表のごく浅い部位に停滞している状態。
自分でも治療したが、念のため薬を処方してもらっていたっていうだけ。
今は全然問題なく、体調も良好。
現状を説明すると、
「もしかしたら薬の影響が検査に出るかもしれないので、実施できるかわかりません」
と、コーディネーターさんからびっくり発言が飛び出す。
えぇ〜〜〜!
・・・まいったなぁ。
でも、飲んでしまったものは仕方がない。
当日は処方薬を持参してくるようにお願いされた。
本日の電話は5分ほどだった。
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この日はお昼から大学病院で血液一般検査。
事前に決まっていた待ち合わせ場所でコーディネーターさんと初対面。
人がたくさんいたので見つかるかどうかすごく不安だったが、すぐにお会いできた。
挨拶もそこそこに早速別室へ移動して、
コーディネーターさんから今後の一連の動きの説明を受ける。
この冊子↑を元に、およそ30分かけて確認作業。
家族の同意の意志から採取時のリスクまで、細かくチェック。
雑談もちょっとだけしたが、ほとんどが骨髄提供に関する内容。
ま、当たり前か。
一通り終わったところで『確認作業を行った』という書類に署名。
そして交通費を頂き、受領書に署名、捺印。
交通費が小額なのが申し分けなさそうだったが、
そんなに期待してないので大丈夫ですよ(^^)v
さて、これで事務的な作業は終了との事。
その後自己採血室という場所へ移動し、調整医師と対面。
調整医師は比較的若い男性のお医者さん。
室内には小さくパーテーションで囲われた診察室があり、
その中で医師の問診を受ける。
まずは簡単な問診。
身長と体重を聞かれたので答えると、
計算機でなにやら計算を始める(BMIの計算だと思われる)。
「体重がぎりぎりですね〜」とひと言。
・・・採取までに太ってきます。
次に聴診器で胸の音を聞き、最後にベッドに横になって腹診。
肝臓が腫れていないかを調べるためだと言っていた。
東洋医学の腹診では気血の偏在を知るために足を伸ばしてさわるが、
西洋医学の腹診では内臓を触診するために膝を曲げた状態で腹筋を緩めて行う。
が、いつもの癖で足を伸ばして待っていたら、
「膝曲げてくださいね〜」と言われてしまった(^^;)
とりあえずは問題なしとの事。
終了後は小部屋から出て、今度は血圧測定。
何だか妙に緊張していたせいか、
133/80でいつもより少し高めの数値だった。
最後に今日のメインイベントである採血。
調整医師が自ら20ccを採取してくれた。
採取しながら「登録はいつからですか?」
と聞かれたり、和やかな雰囲気で事が進む。
と、これで全ての日程が終了。
今後も電話で連絡をします、との事だった。
正面玄関でコーディネーターさんとお別れ。
時間にすると1時間ほど。
もっとかかると思って夕方まで仕事を空けておいたのでちょっと拍子抜けしたが、
無事に終了して本当に安心した。
飲んでいたかぜ薬を持参していたが、それに関しては一切触れられなかった。
今日の感想としては、看護師さんも含め、医療スタッフの対応がすごく丁寧で驚いた。
ボランティアでの参加という事も関係してか、
医師や看護師から「ご苦労様です」という言葉を何度もかけて頂いた。
これは結構以外だった。
帰り道、大学病院のそばにある妻のお気に入りのお菓子屋さんで
パウンドケーキを数個購入して帰宅。
その後は夕方から夜まで通常の仕事をこなした。
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