〜認知症のMRI診断〜

  
 アルツハイマー型認知症のMRI診断には、松田博史国立精神神経医療研究センター長の開発した「VSRAD」(ヴィエスラド)がよく行われます。これは、簡便に撮像できて、脳の萎縮を客観的に評価できるという優れた特長があります。この方法によりアルツハイマー型認知症と、幻視やパーキンソン病に似た症状を示すレビー小体型認知症の区別もできるようになりました。

 血管性認知症は、脳梗塞または脳出血が原因で発症しますが、病変がわずかであってもできた場所によっては認知症を引き起こすことがあります。人格変化や行動障害などを示す前頭側頭型認知症は、MRIでは主に前頭葉と側頭葉の萎縮が認められます。

 MRIによる軽度認知障害の判定法はまだ定まっておりませんが、いずれにせよこれらの認知症は早期に治療を始めれば、進行を遅らせることができます。もの忘れが気になってきた方や車の運転をされるような方は、早めに認知症の検査を受けられますようお勧め致します。