脳卒中のMRI診断

  
 急性の脳梗塞は拡散強調画像で、はっきりと描出されますので、この撮像は今や必須の検査法となりました。発症から1時間、場合によっては30分という超短時間でも、急性脳梗塞の病変が明瞭に描出されます。ただ、偽陽性のこともあって注意は必要です。

 脳の組織を完全に回復できる、血栓を溶かす治療(血栓溶解療法)には、発症から3時間以内(今は延長されて4.時間30分以内)に始めるというガイドラインがあります。これに従って患者さんを救命するためにも、急性脳梗塞におけるMRIの役割は極めて高いと申せます。

 急性のくも膜下出血などの脳出血は、FLAIR(フレアー)画像またはT2*(ティーツースター)強調画像という撮像法により病変を鋭敏に描出できます。くも膜下出血は、事故以外はほとんどが脳動脈瘤の破裂ですので、MRAを合わせておこなうと脳動脈瘤を確認することもできます。
 
 MRIは、このように脳卒中の診断と治療をおこなう上で、大きな役割を担っております。