Oligometastasis(オリゴメタ、少数転移)について


 従来、遠隔転移を起こした悪性腫瘍は、コントロール不良とみなされて根治療法はおこなわないものとされていましたが、近年、おおむね5個以内の転移であれば、肝、肺、脳や骨などに限局した転移巣に対して、手術または放射線による積極的な治療をおこなうと、生存率の向上が得られることが分かってきました。この理由としては、がんのなかには、転移能を十分に持っていないものがあるからではないかという説明がされています。そのため、遠隔転移があっても、転移の個数や分布の仕方により根治療法を選択することが可能になりました。なお、このOligometastasisの概念は、約20年ほど前にHellmanにより提唱されています。