〜心筋梗塞のMRI診断〜

  
 心臓のMRIは、心臓の動きを見る動画MRIと、冠動脈を描出する冠動脈MRAが主な検査法になります。改良されたMRIでは、造影CTと同じ位のきれいな冠動脈が造影剤を使わずに撮れるようになりました。造影剤を使った灌流MRIと遅延造影MRIなどは、心筋の障害の程度および範囲を判定するために専門病院で行われます。

 狭心症と心筋梗塞は、冠動脈の動脈硬化または冠動脈のけいれんが原因で起こります。冠動脈は、動脈硬化が進行すると血管の内腔が狭くなりますが、これを冠動脈MRAで描出します。そして、狭窄の程度により治療法が選択されます。
 
日本人に多くみられる冠れん縮性狭心症は、冠動脈MRAではほとんど異常がみられませんが、安静時または夜間の胸痛発作などを起こしている時は冠れん縮性狭心症を最優先に考えて、速やかに適切な治療へと導くことができます。日常、気になるような胸痛が何度か起きた場合は、なるべく早く心臓MRIなどの検査を受けるように普段から備えてください。