旅行後記
イタリアは大変楽しい海外旅行でした。
来年は２０００年で「聖年」のため、イタリア各地で修復工事をしていました。
たくさんの美術品を見れて大変良かったです。
ツアーで一緒の皆様、お世話になりありがとうございました。
また機会があればイタリアに行きたいと思います。
ホームページの作成はなかなか進みませんでしたが、その分、イタリアの余韻に浸れました。
最後に「聖年」についての記事を参考に記載します。
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Le sette Basiliche di Rome
ローマ ７大バジリカ（聖堂）巡り
今年は西暦1999年、来年は2000年である。
2000年は重要な節目の年として、しばしば話題に上る。
中世以来、西洋世界では、歴史の年代をイエス・キリストが生まれた年から数えてきた。
A.D.というのは、「アンノ・ドミニ」（主の年、主の紀元）の意味だ。
けれども、今日では、イエス・キリストは実際には紀元前4年から8年くらいの間に生まれ
たとされている。カトリック教会の教えを要約した『カトリック要理』を見ても、イエス
は紀元前6年ごろベツレヘムで生まれた、と書いてある。だから、「ほんとうの世紀末」
はもうとっくに終わり、2000年も実は2004年かも2006年かもしれないのだ。それでも現代
では、世界中がキリスト教の暦である「西暦」に従って年月を数えている。
だから、2000年は「問題」になるというわけである。
けれども、カトリック世界では、2000年は「聖年」として、特別な意味をもつている。
いったい「聖年」とは何なのか。そこから話を始めよう。
「聖年」とは、節目の年として、この年の間にキリスト教徒がローマに巡礼し、4大聖堂
（あるいは7大聖堂）に参詣すれば、罪の免償が与えられる、「聖なる年」のことである。
（しばしば「免罪」、つまり罪が許されるといわれるが、厳密には、罪が許されるのでは
なく、罪の償いが許されるのである）。この「聖年」の制度が始まったのは、今から
700年前、1300年のことだ。「ダンテ時代」の民衆が、この節目の年にローマに巡礼すれ
ば、特別の恩寵が得られると信じてローマに殺到し、それに押されるようにして、
教皇ポニファキウス8世が「聖年」を布告したのである。
初め「聖年」は100年ごとの節目の年とされた。けれどもすぐに、それでは一生「聖年」
に巡り会わない、という要求から、50年ごとに定められた。それに、旧約聖書『ヨブ記』
に、7年が7回過ぎた50年目を「ヨベルの年」として祝いなさい、と記されている。
「聖年」がジュビレーオ（英語ではジュビリー）とも呼ばれるのは、旧約の故事によるの
である。15世紀になると、さらに半分の25年ごとになる。そのほか、「マリアの特別聖年」
といったF翌年」が布告されることもある。
要するに、「聖年」とはカトリック教徒のローマ巡礼の年、いってみればカトリックの
「大祭」の年、というわけである。
2000年が特に騒がれるのは、それが史上初めての1000年単位の「聖年」だからである。
「聖年」のローマ巡礼者は、ローマでもっとも由緒ある4つのバジリカ、のちには7つの
バジリカに参詣するように求められた。それらの聖堂は、歴史的にも、美術史的にも、
さらには西洋世界の何たるかを知るのにも、たいへん興味深く、キリスト教徒でなくても、
一度は訪れる価値がある。それらの聖堂について、簡単に紹介することにしたい。
ローマの4大バジリカとは、
サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ聖堂、
サン・ピエトロ・イン・ヴァテイカーノ聖堂、
サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂、
そしてサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂の4つのことである。
ローマの聖堂といえば、誰でもすぐにサン・ピエトロ大聖堂を思い浮かべるが、ローマ
で最初に建設された、つまり西ヨーロッパ世界で最初に造られた本格的な聖堂は、
サン・ピエトロではなく、サンジョヴァンニ・イン・ラテラーノ聖堂であった。
キリスト教を公認した皇帝として知られるコンスタンティヌス帝が、312年に
宿敵マクセンティウスを破ってローマに凱旋したとき、その勝利の「エックス・ヴォート」
（奉納品）として、救い主に捧げる聖堂を建設したのである。
だから現在でも、ローマのカテドラル（大聖堂）、つまりカテドラ（司教座）のある
聖堂は、ヴァチカンのサン・ピエトロではなく、ラテランのサン・ジョヴァンニである。
教皇はいくつものタイトルをもっているが、その最初にあげられるのは、ローマ大司教と
いう称号である。つまり、教皇はローマの大司教だから、力トリック教会全体の代表者、
指導者とみなされる、というわけなのだ。1000年以上にわたって、教皇の宮殿があった
ラテランの地に立つサン・ジョヴァンニ大聖堂は、形式的には、現在もローマの第1の聖堂
なのである。