オゾン層を守ろう
40億年以上かけて形成されたオゾン層
地球が誕生した46億年前から現在までを1週間とすると、人類の歴史はたかだか2秒間に
すぎません。産業革命以降はさらに0.04秒という時間です。まばたきを1回するかしない
かの間に、人類は回復不可能なダメージを地球環境に与えてしまったのです。
特にオゾン層破壊は、50年程度の活動で甚大な影響を与え、22世紀まで改善は望めないと
推定されています。
オゾン層の成分と成り立ち
地球上に酸素が溜まり、その酸素が地表10数キロから50キロの上空で太陽からの紫外線
(エネルギー)を受けてオゾンを生成し、20数億年の時間をかけて3ミリ程度の厚さの
オゾン層が形成されました。オゾンは酸素(O2)に酸素原子(O)がくっついた不安定な
物質で、工業的には殺菌や漂白工程で使われますが、地表にあると光化学スモッグの原因
物質になったりする有害物質です。しかし、オゾン層と呼ばれているものは、地表への
有害光線(紫外線)の遮蔽層として機能し、生物の生存を可能にしています。
また、オゾン層は紫外線を吸収することで対流圏よりも高温になり、大気が安定してい
る成層圏と対流圏を区分しています。そのため、オゾン層が破壊されると、地上に達する
太陽光の有害な紫外線の量が増加し、皮膚ガンや白内障の発生率が増加する可能性がある
ほか、生態系にも重大な影響をもたらす恐れがあります。
オゾン層の破壊メカニズム
オゾン層に穴があいていることが1985年に報告され、各種の研究や観測結果から、その
原因はフロン、ハロンなどの化学物質であることが立証されました。
空気より重いフロンやハロンは、対流活動や拡散によって、成層圏に到達。紫外線
(エネルギー)にあたり分解され、塩素原子を遊離します。遊離した塩素原子は図のよう
に連錯反応を繰り返し、オゾンを破壊します。一つの塩素原子で10万個のオゾンを破壊す
るといわれています。また、フロンがオゾン層にとどまる期間は50年から100年といわれ、
地表からフロンをなくしても、影響はその期間継続します。
オゾン層を守ろう
オゾン層を破壊する代表物質であるフロンは、冷媒、洗浄剤、発泡剤として使われてい
ますが、オゾン層保護のために各種の規制がかけられています。国際的な枠組みとしては
「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択され、その後も規制物質
の見直しや削減年度の前倒しが決定されています。
日本国内では「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」が制定され、
排出の抑制や使用の合理化が事業者に対して義務づけられています。また、2001年6月に
「フロン頸回収破壊法」が制定され、地球温暖化ガスとしての側面からフロン類全体に
リサイクルの義務が課せられました。
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