2001年1月23日の件で思ったこと。(全文)

1月23日のワタシの書き込みに対し、以前お世話になっていた獣医さんからメールをいただきました。
そもそもワタシがHPを開設していることもメールアドレスなども全く病院には連絡していないにもかかわらずましてや病院ではハンドル名ではなく本名しか名乗っていないのにどうしてこの掲示板の管理人を特定されたのかとても不思議でなりません。
他の患者(の飼い主さん)さんにでもそれとなく聞いて回ったのでしょうか?(想像するとなんか怖いものがあります・・・・)
更にこの獣医さんのことであるとは書き込みのどこにも書いてはいないのですが。

ただ、ワタシの書き込みは、理由はどうあれ不快に感じられたり、ましてや批判と受け止められる可能性があるのなら、ワタシの意図に反するということですでに関連の書き込みも含めて、関係の方々のご了解を頂いてとりあえず削除しました。
短い文章で意図を間違いなく伝えることの難しさを痛感するとともに、今後気をつけねばと思っております。

メールを頂いた獣医さんはいろいろお世話になった方であり、尊敬もいたしております。
しかし、今回頂いたメールには首を傾げざるを得ないものがあったため私の考えをあらためて書きます。
まず、メールの中で現在療養中の家の子の先生の診断について、病院ではお話頂いていないことをたくさん教えていただきました。しかし、これは掲示板の書き込みをきっかけとしてメールで教えていただくべきものではなく、治療費をお支払いしている通院の際に聞かせていただくべきことだと考えます。(あのワタシの書き込みがなければおそらくいつまでも教えていただけなかったのでしょう。まあ、既に転院してから1ヶ月以上経過しているのですが)
このやり方は獣医師としてのコミュニケーションの方法として疑問を感じます。

メールに書かれていた診断内容は、通院していた間素人のワタシには先生の診断内容が全く把握できなかったため不安を感じ、悩んだ末に一大決心をして転院したのですが、転院先では各種の検査や診察を行い、データを見ながら説明を受け、ワタシがはじめて理解納得できた診断でありその内容を12月下旬からこれまでの日記や掲示板に書いてきたのですが、それとほぼ同じでした。

診断が一点異なっている部分もあったのですが、これは日記や掲示板に書いていなかった部分でのことでした。

通院している間にメールにかかれていた内容の説明を受けていれば、転院する必要はなかったのですが、残念です。

ただ、転院先では状態、病状、これまでの飼育状況などを聞き、カメの口を開いて色を見、いくつかの可能性を考えた上で、診断をさらに確実にするために血液検査(90グラムしかないちびカメの首から、何種類かの検査をするのに必要なかなりの量の血液を採取する技量には驚かされました。)を行って、はじめて診断を伺えたのです。
一方で、一度もカメの口を開いて見ることもなく、血液検査もしていないにもかかわらず他の可能性を排除したうえで同じ診断になるのかが素人のワタシにはいまだに理解できないのです。特にメールではじめて貧血であったとの診断を伝えられたことには驚きました。
外見を見ただけでわかるという経験がなせる技なのでしょうか。

また、診断が異なった部分は、そのカメが、3年前に家につれて帰ったときの体重が14グラム、9ヶ月後(メールを頂いた獣医さんにはじめて診察を受けたとき)24グラム、さらにそれから1年5ヶ月後に再度診察を受けたときが82グラムという成長だったのですが、この成長を順調に成長していたと診断された部分です。したがって、今回の体調不良の原因はワタシの飼育技術の未熟さとその通院の原因となったワタシの不注意による保温電球の加熱事故の際の内臓のダメージだろうとのことをメールではじめて教えていただきました。

転院先では、この子の成長の経過を聞く限り、加熱事故の前の時点で考えてもギリシアリクガメとしては、飼育技術の優劣や個体差の範囲を超えた、異常な遅さであり、大きな問題が最初から内在していると考えざるを得ず、おそらく先天的な問題だろうし、今後の成長も期待できないだろうし、寿命に関しても疑問をもたざるを得ないとの診断でした。過熱事故は大きな影響をこの子の場合は与えていないだろうとのことでした。今回の体調不良もこの先天的な問題の延長線上でのことであろうとのことでした。

ワタシの多いとは言えないものの見たり聞いたりした他の方のカメの成長度合いや、その時点では2年、現在では3年の間そのカメの世話をしてきた感覚では、転院先の先生の診断のほうがより実感にあうものなのですが・・・。(こうであってほしいとの責任回避の気持ちは入っていないと思います。自分の責任を自ら受け止めるだけの精神は持ち合わせています。)

この点が異なるため病状については同じような診断ではあるのですが、治療方法や回復の可能性についての診断には大きな違いがありました。

現在日経新聞の朝刊にアサヒビールの名誉会長が「私の履歴書」を連載しているのですが、昨日の回だったと思うのですが、住友銀行の役員だった時にガンかどうかの診断が医師によってまったく違ったという経験をしたと書いていました。最初の病院でガンと診断され抗がん剤の治療まではじめていたのだが、家族に別の医師のところへ連れて行かれ診てもらったところ、「これがガンに見えますかねー」と言われた。最初の病院で抗がん剤治療を続けていたらと思うとぞっとすると書くと同時に、当時の住友銀行の頭取から「ひとつの病院と一人の担当医だけの診断で決めるな。」と教えられたと書かれていました。
ヒトでもそうなんだからましてやカメの場合はと、思い出してうなずいてしまいました。
飼い主が自分が世話をしているカメについては一番分かっているのだから、いろんなことを日々実感として感じていたり、過去からの蓄積として積み上げているものをベースに診断を聞き納得できるかどうかを判断して対処していくことが重要なんでしょうね。
獣医師の言いなりではなく飼い主ももっと勉強ししっかりしなければ、と改めて感じさせてくれる出来事でした。

それにしても名指ししたわけでもないのにどうして今回のようなメールをわざわざこんなマイナーなHPをたどって更に手間隙かけてかなりの量の文章を書いてまで送ってくださったのか不思議です。

メールをいただいたことに疑問を抱いた最大の理由は以下のとおりです。

先生はメールの中で●●さんと何度もワタシの本名を書いた上で通院していたカメのことをその日時から私の訴えた症状、それについての診断(診断内容についてははメールではじめてお知らせいただいたことが多かったのは前述した通りです)に付いて実に詳細に記載して「わし&ゆう」宛に送ってこられました。。(メール中●●という本名のみでハンドル名は一切記載されていませんでした)

繰り返しになりますがワタシはHPのこともメールアドレスについても先生にお伝えしたことはありません。また、先生からも「わし&ゆう」が先生の患者の飼い主●●であることについてのワタシ本人への確認は一度もありませんでした。

「わし&ゆう」が●●とは全く無縁のニンゲンだったら先生はどのように責任をとってくださるのでしょうか。
飼い主の本名と通院履歴を全くの別人(しかも「わし&ゆう」なる正体不明の人物に対して)に暴露してしまうことの危険性をお感じにはならなかったのでしょうか。

「患者(の飼い主)のプライバシーを守る」ことは獣医師としての当然の義務であると私は考えています。先生ご自身もそのことはメールに書かれてあったので当然ご存知だと思ったのですが・・・・・・・。