平成11年10月24日(日)〜
夏 |
浅い入り江の、岩の間などに潜って、上へ下へまるく揺れる波のままに漂いながら、あたりの様子を眺めているのは気持ちいい。シュノーケルのごびごぶいう自分の吸排気と、しああしああんと終わらない不思議な海中の風の音。海草をかきわけ、巻き貝やウニに触れ、素早い魚なんかを目で追って、でもまたしょうもない屑ごみみたいに漂う。
翌日は雨が降って、波が高くなって、水平線の貨物船が寂しく見えた。
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作品記録: 平成4年7月8日(1992年)初稿。 1999-02-24 小説工房談話室 #1186 に、「哀憐笑話(三)」として発表。推敲無し。 1999-10-24 本頁に掲載。初稿のまま。 |