二十三 終話
おじいさんとおばあさんは、その物語を終えた。
「こんでめでたし、めでたしじゃあ。お前んずうっと前のお兄さんなあ、こんことになったんだあ。でえも、こんお兄さんはだ、故郷に錦飾らんかったあ。お金持ちんなったんにだあ、わりい仲間に影響されててえ、恩返しには来んかったんだあ。そうなあ、やっぱどっちか言えば、とおんでもねえ悪人だあなあ」
「ぼくは、ちゃあんとおんがあしするよ」
「うんうん。いいかあ、大きうなったら大桃界行ってだ、全部譲り受けてくんだあ。お前が跡を継いでんちいとも変でないしのう、力ずくっつうのも場合んよっちゃあ、かまわんわけだしなあ」
「うん。おれえまありというんよ、ね」
「頭んいい。今度の桃堕郎はあ」
「ほほほほほ、たのもしいこと」
ももちる、ももちると小さく叫びながら、幼い桃の子は、あたりを汚していた。
(『桃』 二十三 終話 了)
(『桃』 了)
二十二 式 典 ▲ 作品記録 |
小説工房談話室 No.114 ■■■■■■ 1999/12/22 09:46 和香 Home Page ■■■■■■ JustNet TOP |
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HP採録 平成12年2月15日(火)〜 |