小熊ライフさん、おつかれさま。
手を放れてしまったら、もう、どうにでもなれですよね \(^_^)/
では、気晴らしになるかどうか。超短編をおひとつ、どうぞ。
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悪 魔 の 子 .
少年は、小学校の一年か二年だった。
彼は、数歳年上の姉が大好きだった。
その、姉の誕生日が近づいてきた。春休みだったので、時間はたっぷりあった。
勉強机の上や、部屋の隅で、なにやら工作を始めた。
「和夫ちゃん、何してるの?」
「なんでもない。見るなよ」
そう、姉を邪険にした。が、聡明なこの娘はなにやら感づいたようで、以後、見て見ぬふりをしていた。
少年の家庭は、かなりさらっとしたもので、誰かの誕生日だからといって、贈り物をするとか、どこかに記念の食事に行くとか、そういうことはそれまでまずなかった。
そういえば誰それの誕生日じゃない?
ああ、そうか、おめでとう。これをあげよう。
と、夕飯の席で、おかずを移してくれるという程度のことしかなかった。
四月一日。
娘の誕生日がやってきた。
弟は、胸に抱えるぐらいの大きな包みを、勉強机の下から引っぱり出した。
ほかの家族は、和夫ちゃんどうしたの、それ、と初めて見るもののように驚いた。
「お姉ちゃん、プレゼント。僕が作ったんだけど、いいものが入ってるよ」
娘は、準備していたはずなのに、ちょっと言葉がつかえてしまった。
「あ、あり、がと・・・」
「あけてごらんよ」
娘は、新聞紙でぎこちなくくるんであるそれを開けた。何枚もでくるんであった。
するとデパートの鮮やかな包装紙の四角いものがでてきた。
この包装紙のセロテープを剥がして、広げた。
お菓子か何かの金属製の箱がでてきた。
このふたを開けると、手ぬぐいで包まれたものが中にあった。
これを取り出して、また広げて、・・・
・・・そうやって、包みを解いていったのだけれど、まだしばらく本体が現われなかった。
画用紙でできたクレヨン書きの包みの中から、最後にとうとう、キャラメルの箱がでてきた。
娘は、ちょっと歯を見せていた。まっすぐの髪が揺れた。振ると、軽い音がする。
娘が、その箱をひらこうとしているときには、弟はこらえきれず、はじけそうだった。
キャラメルの箱の中からは、一枚の牛乳ビンのふたが転げ出た。
弟は、きゃらきゃらと笑って、
「やーい、四月馬鹿。エイプリルフールだもんね」
娘は、とびはねて踊っている弟を、見た。
眉ねをゆがませて、湧き出るもので黒い瞳がふるえていた。
この家庭ではその後も、あまり誕生日というものを祝うことがないそうだ。
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☆
ああ、ひどい。
ああ、・・・
では〜