keitoさん!
「足掻く」、辞書を引いて、読めることは読めたんですけどね。なんかおもしろい気がして。
私の発言#160の隠れタイトル(ブラウザの上辺に表示)を見て下さいよぅ、
なんて、さりげなく指摘してみたりして・・・ (^^)
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星新一を初めて読んだのは、中学生のときだったでしょうか。
友人にSFが好きな奴がいて、しつこいぐらいに奨めるんです。
私は、明治大正の小説や推理小説ばかり読んでいて、SFは食わず嫌いだったんです。あんまり言うので、じゃあ、ってその本を借りたんです。最初は、アイザック・アシモフの『鋼鉄都市』とR・A・ハインラインの『夏への扉』だったかなあ。
いちころでしたね。虜です。
英米SFばかり読むようになりました。
そのうちにその友人が、今度は日本のSFを持ってくるんです。英米SFの物真似なんてと迷惑な顔をしてたんですが、やっぱりあんまり言うので、読みました。
「ほれ、ほれ」
って、なんか動物に餌を強要するみたいに、新しい本でつつくんです。
でも、今思っても、玉石の選別、的確でしたね、そいつ。
そいつが持ってきた中に、星新一の『おーいでてこい』や『ボッコちゃん』の収載されているのもあって。文字通り、天井を仰いで、驚嘆しました。
星新一は、何冊も読んだ記憶があります。それほどだったのに、内容はなぜかあらかた忘れてますね。
(ですから、読み直しても、また新鮮に楽しめるかもしれませんよ)
※ 作家名、書名は記憶頼り。少々違うかも。
私はすぐ影響されるたちなので、ショートショートをいくつも書きました。その友人のと見せあって、批評しあって。そいつのには、ついに勝てなかったと思います。「接続詞が不適切だね」とか言うんです、中一か中二で。
そいつは優秀だったので、頭のいいやつが行く都内の私立高に入って、頭のいいやつが行く関西の国立大学に進みました。
二十二の春、でしたか、私の職場に電話があって、会いたいって言うんです。訊くと、東京に戻って、銀行マンになっていました。
六七年ぶりですから懐かしくて、そいつの職場の近くだという銀座で飲みました。銀座は初めてでした。
そいつが今どんな本を読んでいるのか、どういう小説を書いているのか、私は今こうこうだ、どう思う、そういう話をしにいくつもりでした。
でも、そういう「あおい」話にはもう乗ってきませんでした。
売上とか資本金とか、銀行の利ざやがどうのの裏話とか、そういうことばかりになりました。二十二の春で。
麦酒とソーセージは美味しかったのだけれど。
あれきり会う機会がありません。
今は、グローバルスタンダードとかで、汲々としているのかもしれません。そいつの銀行はまだ潰れていませんが。
あまりに、跳びすぎましたね。思い出すまま、でした。
ではまた。