ねっとCafe/nc:小説工房談話室


タイトル  :哀憐笑話(六) 『まだ存在しない物語のための覚書』
発言者   :和香
発言日付  :1999-04-15 00:36
発言番号  :1436 ( 最大発言番号 :1536 )

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 時 − 今。少し前、及び少し後。
 場所 − 日本。東京とそのそば。



[男Aの独り言]

 雨かあ。淋しいかぎりだ。
 あしたはなんだっけ。
 いいや。



[電話]

女B
 …それで、それで
女C
 困っちゃってさ、でも我慢きかないほどじゃなあいけど、ああふ

 なによ、ねむいの
 ちょっとあくびだけ。いつも三時頃にうつらうつらしてるんだけど、そいつ張り切る、あたい眠れないで、いまごろね
 けきゃけきゃ。あたりまえよ、今眠くなるんで
 そうだけどう、あっ、ところでさ、行くことになったあ、ご旅行
 ええー
 へっへえ、なぜだと思うでしょう
 どうして知ってるのう、なんでえ
 ないしょ。なんてね、教えたげる。あんた友だち選んだほうがいいよ。あのこ、ほとんど言い触らしてんだもん
 うそう。信じらんない
 はじめ、あんたが宣伝したいのかと思っちゃった
 まさかあ。考え変えよう
 でもさあ、うらやまねえ
 え、あのこと
 そっよ。許されないはずなのに大胆
 そんなふうに言わないで
 またまた、ありがちな言葉つかってえ
 エーン、信じてよ、ほんとは全然事情違うんだから
 あれ、違うというと
 だから、つまり、…



[男D街路をゆく。歌う]

 さよならの
 せつなさは
 なんんんんだあた
 あのか
 ときが何年も
 なんんんんねんも
 過ぎたわけじゃあ
 なあいのに
 あ あ
 ああ あ
 おんなの
 おお
 あいそなしよ

 三日だぜ
 たった

 









平成3年9月〜10月頃 初稿
平成4年8月11日 二稿


 
 #1063 哀憐笑話(一) 『お嬢さんをください』 1999-01-30
 
 #1135 哀憐笑話(二) 『昼休み』 1999-02-14
 
 #1186 哀憐笑話(三) 『夏』 1999-02-24
 
 #1238 哀憐笑話(四) 『お尻』 1999-03-12
 
 #1363 哀憐笑話(五) 『捨て猫』 1999-03-30
 

 


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