時 − 今。少し前、及び少し後。
場所 − 日本。東京とそのそば。
[男Aの独り言]
雨かあ。淋しいかぎりだ。
あしたはなんだっけ。
いいや。
[電話]
女B
…それで、それで
女C
困っちゃってさ、でも我慢きかないほどじゃなあいけど、ああふ
なによ、ねむいの
ちょっとあくびだけ。いつも三時頃にうつらうつらしてるんだけど、そいつ張り切る、あたい眠れないで、いまごろね
けきゃけきゃ。あたりまえよ、今眠くなるんで
そうだけどう、あっ、ところでさ、行くことになったあ、ご旅行
ええー
へっへえ、なぜだと思うでしょう
どうして知ってるのう、なんでえ
ないしょ。なんてね、教えたげる。あんた友だち選んだほうがいいよ。あのこ、ほとんど言い触らしてんだもん
うそう。信じらんない
はじめ、あんたが宣伝したいのかと思っちゃった
まさかあ。考え変えよう
でもさあ、うらやまねえ
え、あのこと
そっよ。許されないはずなのに大胆
そんなふうに言わないで
またまた、ありがちな言葉つかってえ
エーン、信じてよ、ほんとは全然事情違うんだから
あれ、違うというと
だから、つまり、…
[男D街路をゆく。歌う]
さよならの
せつなさは
なんんんんだあた
あのか
ときが何年も
なんんんんねんも
過ぎたわけじゃあ
なあいのに
あ あ
ああ あ
おんなの
おお
あいそなしよ
三日だぜ
たった
平成3年9月〜10月頃 初稿
平成4年8月11日 二稿