お題:かっちん 『 う そ 』起の章:NONTAN 「偽善者が賞賛され、虚構のピラミッド機構の中、生きるのはごめんだ。」そう、決めたのはいつだったか、思いだすこともままならないくらい、時は 経ってしまっていた。 そう、自分に嘘をついて生きてきたような気もする。 理想と現実のギャップ。その隙間を埋めるために、自分に嘘をつき続けてきた。 だがしかし、そんな生活とも今日でお別れだ。。 昔決めた理想に、今から少しでも近くに行きたい。 覚悟はすでに出来ている。 思えば、この電車にも毎日、よく乗っていたものだ。ホームの人混みの中には、あいかわらず、不快感と嫌悪感が漂っている。 毎日毎日、本当に変わることのない日々の中。。。だが、変わらなかったのは 周りじゃなくて、自分自身だったのかもしれない。変身願望は強く持っていたつもりだが、「つもり」だけで、 実際の深層心理では変化など、望んでいなかったのだろうと、変に、最後は自分を納得させた。 一呼吸ついた頃、急に、弾かれるように体が前に飛び出し、構内速度75キロで進入してきた、環状線のフロントガラスに、僕の体は強く打ちつけられた。 承の章:和香 没だった。取引先からの帰り、その大手印刷会社のロゴ入り「入稿袋」を抱えてホームを歩いていた。 ださい。 「入稿袋」は、裏が真っ黄色で表はロゴ文字だけ黄色、あとは透明の厚地ビニールだけれど、仮にも一部上場の企業がそんなものを作り、デザイナーのはしくれであるアタシが抱えて人混みを行く。二つ折りにしてもB3だから隠すこともできない。 はああ・・ うちみたいな弱小事務所は逆らえないし。あっちで叱られ、こっちで怒鳴られ、クリエイターをなんだと思ってんだあー ・・・・・ おやあ。 と思った。あそこの会社で、一人だけいつも冗談を言ってかまってくれる人がいた。アタシたちが納品している部署の隣だから、直接の利害が無くて、最初は廊下の自動販売機のところで出会った人。遊びにいったら、一人一人仕切りのあるコンピュータだらけの部屋で仕事していた。 今日も、むしゃくしゃしたから寄ってみたんだけど、彼はブースにいなかった。 外回りの日なのかな。 アタシは、そっと近づいて、背中をどーんと叩いた。 「やあやあ。元気〜」 |
どうも。 NONTANさん、ご指名ありがとうございます。 今回はあまり凝らずに承ってみました。 どうなることやらですが・・ (^^)
では、「転の章」は、
花島賢一さん
にお願いいたします。よろしく〜 |
#1664、失敗しました。