小説工房談話室 ■■■■■■
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 『病』 転の章
2000/02/14 和香 Home Page ■■■■■■ JustNet TOP

 

お題  こうたろう

  



起の章  keito

「おねえちゃん、まぁだ?」
「まだ」
「つかれたよー」
「まだだもんっ」

雪がっせんの帰り道。
必死でころがしてきた二つの雪玉は、すでに、とものひざまで大きくなっていた。
なんだっけ
今ごろ寝ているゆうきの、のどがヒューヒューいう病気
雪だるま、みせてあげたら喜ぶかな
「いくよ、ほら」
ともは、まっかなほっぺで道ばたに座りこむケンタを軽くけとばした。



承の章  カオス

「いたいよー」
ケンタはけられたお尻をおおげさにさすっている。
「雪だるまゆうきに見せたら病気が治るのよ」
「ほんと?」
「うん」
ケンタはぱっと立ち上がって、うんうん言いながら雪玉を押しはじめた。
ともも押しはじめる。

雪玉はともの腰よりたかくなった。
ケンタの雪玉も、もう動かない。
二人とも雪玉に手をあてて、うなっていた。
「おねえちゃん・・」
みると、ケンタの目にうっすらと涙がにじんでいる。
「どうしようおねえちゃん。ゆうきの病気がなおらないよぅ」
ともは、胸がドキドキしてきた。
家はもう見えている。



転の章  和香

腰を折ってぺちゃんこにつっぷし、ぜんそくにおそわれていた。
シーツをつかんで、ぶりかえす発作を何度もたえて越える。
ゆうきは泣くひまもない。
おかあちゃん
くるしぃ
おねえ、おにい

白い息をついて、びくともしない雪玉をたたいた。
ゆうきばかり
お母さん、仕事でつかれてるのに
「無理なんは無理。 はあ。 ケンタ、ここでつくっちゃお」
病気なんて
雪みたいもん
そのうちとけちゃうんだから
 
 
 
 
 
 



 「結の章」は、お待たせいたしました、

 れいむさん

 を指名します。
 よろしくお願いします。