『復活』の感想
みなさん。お疲れさまでした。
ほぼ敬老の日から文化の日にかけて、丁寧な進行というふうでした。
最後は、全く予兆が無くて、ほんと乱入に驚いてしまいました (^^)
でもこういう刺激は、覚醒させてくれます。感謝です。
お題
作品の外でもこの響きに連なった方々がおられたようです。
世の中、私たちの周囲や私たち自身の情況とあいまって「磁力のある言葉」になっていたのでしょう。
起の章
意地悪なでだしでした (笑)
「なりすまし」がテーマのつもりです。
一般的には難しい事柄と言えそうですが、こういう場所に集っている私たちにとっては身近です。ネットをしていれば誰でも一度や二度は誘惑にかられたはず、とも思います。
なにより、誰かになりすましたり一人何役もしたりというのはあまりに文芸的で、その匂いをかぐと私は、芯のところでびびっと反応してしまいます。みなさんはどうかな、という興味がありました。
主人公のような初心者の目論見が自分にとっても他人にとってもたいてい良い目を見ないことは容易に予想できますが、でも、お題がお題ですから。このお話の世界では、しあわせな気持ちになれるラストへつながってくれるかな、という希望がありました。
承の章
私の予想では、いきなり掲示板の発言羅列という展開でした。
主人公はたぶん、若い男(または若い女)になりすまして参加しているので、読者には誰が彼かすら分からないという流れ。
きれいに、外されました。
やはり、何人もで書くと広がりがでます。そうかこういう対置もありだなあ、と気づかされました。
「なりすまし」よりも「出会い系」のほうのあやしさへ比重は移りましたか。
二人のお嬢さんの個性、掛け合いが楽しいですね。今風、情感までリアルです。しかもどこかあったかみはあって。
カオスさん、腰でただ休んでいただけではないようです。
承の時点で、これを収めるには相当思い切った歩幅、それも的確な着地をよく選別した上でのそれらが必要だろうなと感じました。
転、結の方たちのお話作りのセンスに期待でした。
転の章
HARUさんの老け役、いつもながらですが脱帽ですね。
細部が生きてますよ。ラスト一行なんか、特に。
掲示板上の発言羅列、たぶん、したかったんじゃないかと思いますが、お話が複雑になるし、歩幅ということもあって、潔く切ったのではと想像します。詳しくは書かれていなくても、こういう場所にいる私たち読者には、ほのめかしだけでその経緯や様子はなんとなく見えますしね。気持ちいい見切りでした。
かわいらしいおじいさんです。ある種のほのかな復活の味もしました。
さて、こういう三章、三人のキャラを素材に、どのようにハッピーエンドに持っていってくれるのか。
このお題ですから、そうではないラストは座りが悪すぎるだろうとは思ったのですが、といって、安易に過ぎればリアルが壊れるし。難度高そうです。
しかも、現在、メンバーで一番お若いだろうれいむさんが、ウメゾーさんとなって出す答え。
待ち遠しかったです。
結の章
お話の流れでまたも、執筆者ということでも、二重に外されました。
これも、なるほどなあと思いました。
私が起を書いたということもあるのでしょうが、かたくなにあの意地悪なウメゾーさん視点だったんですね。
彼の再生が、サブキャラであるお嬢たちも引っ張るという座りではなく、お嬢たちの救済が表側となるわけですか。
なのはなさんの手堅さを感じます。
自分との距離がありすぎる、自分のリアルと簡単には響き合わない対象への憑依は深入りを避けて、だったのだと思います。
ゆめまぼろしを書くにしても、実生活の何かしらを足がかりにしなければ文章に腰が無くなる。そういう経験を重ねられたためではないでしょうか。
といって、内なる視点だけがその人を理解しているとは限らないのでしょう。
外からの視点が、その人の真の姿をある面ではその人自身よりも照らしている、ということもありましょうしね。
冒頭から、押しと引きの要諦を心得た駆け引き。年季でしょうか。
終わりまで、やけにかっこいいウメゾーさんでした。
こうやって、あちらこちらから見せていただくと、現実のウメゾーさんがこれを読んでいたとしても、ふふんとか笑って、納得してくれそうです。
シンデレラストーリーの甘さはあるかも。
でもこういうことがあってもいいよね、と感じられて、うれしかったです。
夢を拒絶してなにも信じなければ、そりゃ騙されない。裏切られはしない。
でもそうやって生きていく意味は何、とも感じますから。
賭ける、ということですか。賭けなければ人生は得られない。これも真実のはずですもんね。
深読みすれば、ウメゾーさんは、娘の仇討ちがしたかったのかもしれない。
ほとんどそのつもりだったんだけど、殺すよりは生かすことでしか、誰も救われないってことを長い経験で悟っていたんでしょう。ネットやお嬢たちとの交流でしだいしだいに、そしてどこかの一瞬で、心がそれを思い出すことができた。
そういうお話にも見えます。
☆
付け足し。
起の章の、
> ほう。 これが掲示板ちゅうものか。
> 日本男児ともあろうものが、女子の気を引こうと、ちゃらちゃらと。 軟弱な・・・
この二箇所、コピーの過程で変わってしまったようですが、原典(#690)の通り、改行ありと考えてくださいね。念のため (^^;)
☆
付け足し、その二。
文芸を書く。小説を創る。
私たちは、様々なキャラを立てようとして、苦心惨憺します。
自分とは違う立場の人を思いやる心を鍛えている。
とも言えないことはないです。
自分で選び取ったものであれば、苦しみは楽しみでもあるわけです。
・・などと考えると、単なる暇つぶし、被虐趣味、でもないような気がしてきます (爆)