『後の祭り』の感想
お題
面白いテーマでした。
表面的にはおちゃらけているようで、でも深いというような。
起の章
お正月の頭ですから、威勢のいい女言葉で、と思いました。コントラストとしてしょうもない兄貴ですけど。
多少、私の地元の匂いが濃かったかという気がします。でも、まくしたてられると現実はこんなもんじゃないんです。その現実の言葉の密度だけはどうにか表わしたかった、というところがありました。
承の章
「そうか、相手の女性か」と。初対面の場面を予想しましたけど、もう一歩先へですね。上手く受けられました。
女→男の会話は実体験(男→女)を裏返せば何とかなるようなんですが、女→女ってのは難しいです。男がそばにいると見せないところもあるでしょうから、やはり想像力ということになりますか。
こういう面で承の章、いい線いってると思います。でも、なにかあと一つという感じは残りました。男が書いているということはバレバレとして楽しむのなら文句無しです。
猫をかぶってうまく行きかけたんだけれど露見しておじゃん、というのがこの辺りの普通のパターンなんでしょうが、最初から気に入られてないようです。となれば、裏返ってハッピーエンドかな、と予想しました。
転の章
とぼけた語調がいいです。カオスさんの地声や雰囲気も、たぶん、この章で響いているそれと近いんだろうなって感じます。
後の祭りっていうのは、こうしておけばよかった、という後悔でしょうから、未来を見通そうとする占いと近しいはずで、そこら辺から導かれたアイデアだったんでしょうね。あっさり終わらせているのでクライマックスは結で、と譲られたような感じでした。
起の章ではもうちょっと硬派な男のつもりだったんですけど(笑)、承、転と進むうちにかなり変人になってきてしまいました。彼の立場で弁解させてもらえば、昔の面影とのギャップをいわれても困るよ、好きな女のためにおろおろするのもありがちだろう、ってなぐあいです。
でも結では、そういう流れできた以上ということで、活用させてもらいましたけど。
結の章
他の人の結が見てみたかったですが、指名されてしまったので、私のパターンのご披露で閉じさせていただきました。
どこまで跳ばすか、ということですが、転で占い師が出てきましたので繋がりもよくと思いまして、次世代までとなりました (^^;
真っ暗のようでもあり、そこそこのようでもあり、という収束ですか。
一言もせりふはなかったですが、この4章を版木としてぺたっと押しつければ、彼の物語が刷りあがるという仕掛けでしたね。
彼、主人公の職業に興味あります。芸術家というより、報道、編集、著述業あたり。堅気のことはどうも勤まりそうにないような。逆に、堅すぎる日常なので反動が、ということもあるかも。
外見はまっとう。二重人格様酒乱傾向破滅型。
周囲は迷惑至極なんだけど、誰も幸せにしないんだけど、気になる、見ていたい、かまってあげざるを得ない。何かするんじゃないか、という怖さ、つまり期待、どこか夢に似ている。
どうせ「人生すべて後の祭り」なら、彼のような打開、居直り、天然もありか、とも思います。