アニメーションで見る置換積分

(定)積分とはグラフの面積だったことをまず思い出してください。 たとえば関数 y = sin(3x) のグラフの面積を求めたいのですが、 そのままだとうまく計算できないので、 3 x = t のように変数変換したい……という状況を想定しましょう。

ここで、単純におきかえた関数 y = sin(t) の グラフの面積を求めると、元の y = sin(3x) の面積とは違ってしまいます。 横を単に 3 倍しただけだと、面積も 3 倍になってしまうからです。

これを補正するには、横をのばしたのに応じて縦を縮めればよい。 横を 3 倍にのばしたなら、縦を 1/3 に縮めてやると、面積は元のままです。 だから、 y = sin(3x) のグラフの面積を求めろと言われたら、 y = sin(t) / 3 のグラフの面積を答える。 それが置換積分の原理です。

ここまでは全体を 3 倍にのばす変換でしたが、 一般には場所ごとに伸縮率を変えても構いません。 その場合でも、グラフを細い短冊に切って短冊ごとに 「横が a 倍なら縦は 1/a 倍」としてやれば、 面積はやはり元と同じ。 そうすると次図のように、グラフの形をいろいろ変えて、 計算しやすいように直してから計算する、という作戦が たてられます。 この図は、y = cos(x) sin^3 (x) のグラフから sin(x) = t とおくことによって、 面積を変えずに y = t^3 のグラフへと直した例です (^3 は 3 乗を表します)。

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