8月21日〜22日 長渕剛 桜島オールナイトコンサート(ネタばれ必至)の巻


夕方の桜島桟橋、すでに物凄く長い 列がフェリーの袂まで続いていた。すごい・・これではフェリーに乗るのでさえ時間が掛かってしまうんじゃないのか?物売りが、行列を見越しておやつやジュースを売ってた。「長丁場のライブ、買わなくちゃ損だよ〜」と、こっちの心をくすぐってくれる。まあそんなこんなで、30分くらい並んでフェリーには乗れた。
フェリーは夕凪の海を走る。そして次第に、桜島が徐々に、徐々にと近づいてきた。
桜島のフェリーターミナルに着くと、そこには、ゴツゴツした黒い岩があっちこっちの岩盤から剥き出しになっていた。来たぞ〜!桜島!
桜島のフェリーターミナルには、すでにたくさんの客が並んで歩いていた。ここからまたかかるのか・・・ちょっと不安がよぎった。フェリーターミナルから、30分くらい歩けば会場につくと、パンフレットには書いてあった。が、会場へと向う行列は、突然ぴたっと止まった。会場整理のスピーカーが、「現在すでに入場した人のブロック整理が終了してないので、今来た人はしばらく溶岩グランドで待機してください」とのこと。溶岩グランド・・何もない広い運動場であるこの場所で、まさか、まさか、ものすごく待たされるとは。。
ライブ開始2時間前になっても、グランドの群集はまったく前に進まない。すでに救急車が走る音が聞こえてきた。こんな蒸し暑いところで、ずっと待ってろというのがおかしい。何を考えてるんだ!何人かの客がスタッフに詰問した。
そしてついに、夕闇が周りを包み始めた時、皆歩み始めた。1時間以上もここで待たされるなんて・・もう汗びっしょりだし、ペットボトルも2本空けてしまった(笑)で、後で聞いたら、グランドの片隅に抜け口があって、そこから会場への通路へ出た人が結構いたとのこと。そして、彼らは皆、ブロック整理に伴う会場入場の混雑など、スタッフがいうほど大したものじゃなかったと言っていた。。

溶岩ロードと呼ばれる、島内を周遊する道を上へ登るにつれ、会場の明かりが見えてきた・・。もう胸がドキドキしてきた。ブロックごとの入り口でチケットと、会場に入るのに必要なリストバンドと交換してもらった。途中、ジュース売り場を発見。ここでしっかり水分を確保。さあいよいよ会場だ!
会場は、当初予想してたのよりもずーーーっとでかかった。僕が入るDブロックまで、入り口からかなり歩かされた感じがする。。ものすごい広大な敷地、そして、海から吹く心地良い風。そして・・横にものすごく長い、超特大のステージセット!桜島の何も無い溶岩だらけの敷地を造成し、こんなすごい会場にしてしまった、その構想と実行に頭が下がる。
Dブロックにはすでにかなりの人が敷物を広げて座ってた。もう僕が入れるところは無いのか??けど、あきらめない。今夜一晩、立見でいるのはかなり辛い。そしてやっと、少ないながらもスペースを見つけた。両隣の人に「入っていいですか?」とお願い。一人分ということもあってか、何とか空けて、入れてくれた。「シート、僕らのと重なってもいいですよ」と言ってくれたりして、ホント感謝した。。こうして何とか、一人分のシートをひいて、今夜の観戦の舞台は整った。
「一人できたの?」隣の夫婦が尋ねてきた。「はい」
「すごいねええ〜、どこから来たの」「福島県です」
「どこそれ〜?」・・・・・答えに詰まってしまった(笑)
「まあ、仙台の近くです」というと、「ええ?仙台って・・宮城県の??」
「はい、だいたいその近くです」「すっごい〜、遠くから来たねえ。うちらは鹿児島市だよ〜。みんな遠くから来るんだねえ」
「まあ、、」かなりテンションの高い夫婦だったが、話も面白く、ライブ中は大分笑わせてもらった。一人身の寂しさも、少しは紛らせた気がする。

ライブ開始まで、僕はわずかな時間を、ライブグッズ買い求めに充てた。が、もうすごい行列ができてて、目当てのオリジナルバンダナは売り切れてた(涙)しかたなく、オリジナルうちわを買った・・・500円はちょっと高かったけど。それから、ライブオリジナルのミネラルウォーターも購入。おっと、時間が無い!しかし売店やトイレから、自分のブロックまではかなりある。。こりゃ後で大変なことになりそう・・

9時半、錦江湾に大輪の花火がこれでもか、とたっくさん上がる、やがて花火が終わり、ヘリコプターが轟音を上げて上空に上がった。
ま、まさか、長渕はここから???。しかし、ヘリはやがてふわふわと遠くへ行ってしまった・・フェイントだったのだ。そして、ステージの画面からは、長渕がハーレーにまたがり、桜島を突っ走る映像が流れた。その映像が途切れた時、後方からお客さんの大絶叫が!
ハーレーにまたがった、長渕の登場だ。映像ではかなりスピードを上げて飛ばしてたのに、会場では安全運転なので、拍子抜けだが(笑)、そのままステージにあがった。会場のボルテージは大爆発。着ていたシャツを脱ぎ、上半身裸でシャツをぐるぐる回す男性ファン、金切り声で剛コールを送る女性ファン・・すごい!

「よく来たな!今夜は俺が先に倒れるか、おまえらが先に倒れるか、勝負だ!いいか、桜島の山すそから、みんなで太陽を引っ張り出すんだぞ!」

長渕のこの一言でライブの幕が開けた。最初からイキのいいナンバーを次々と演奏した。そして、掛け声をファンに要求し、声が長渕に届かないと、「聞こえねえ!」「もういっちょいくぞ!」と凄まれた。
勢いのあるナンバーばかりじゃない、長渕といえば、往年のフォークシンガーの一人。彼のデビュー当時の曲を弾き語りでやってくれたりもする。そんな時「俺は昔、フォーク界のアイドルって言われてたんだ。こーんなに髪が長くて、毎日エメロンシャンプーが欠かせなかった」と笑わせてくれたりもした。彼の魅力は、体育会的な一面と、この優しい兄貴的な一面の両面を併せ持ってる所だと思う。しかも、ギターの上手さも歳にもめげず全く衰えてない。

ライブ中、二回ほど休憩があったが、この間に客が数少ないトイレに殺到!トイレへの道は狭く遠い・・そして狭いがゆえに、混雑し、またまた並ぶハメに・・
ライブでただでさえ疲れてるのに・・・僕は一度自分の席へ退散した。そして、ある程度空いたのを見越して、再度トライ!今度はスイスイ・・よっしゃと思っていたら最後に詰まってしまい、並ぶハメに・・。で、やっと着くと、ものすごい数の仮設トイレが並んでいた。これでも入るのにまた少し並ぶのである。
やっと「ほっと」一息ついた後、売店コーナーでパンやおにぎりを買う。おにぎり、3個入りで300円は良心的!普通こういう所ではぼったくる事が多いからなあ。長時間のライブだから、栄養補給しとかないと体がついていかない。事実、売店から自分の席に戻る際、担架をかついだ救急隊員にでくわした。脱水症状などで倒れる人は多いようだ。夜間で涼しいとはいえ、これだけ悪条件が多いんだから・・。

ライブでは、昔聴いた曲もやってくれたりした。自分が上京時に聴いて心の励みになった「Myself」、そして、仕事や勉強がうまくいかず、がけっぷちに追いやられた時によく聴いてた「Stay Dream」は、涙ナシでは聴けなかった。昔のドラマの主題歌で、僕が長渕ファンになるきっかけになった「Goodbye青春」は、あまりにも昔だし、まさかもうライブで聴けるとは思わなかったから、かなりビックリだった。
そして、会場の背後にある空が白みだし、やがて青みをおびてきた、桜島の山すそがしだいに明るくなってきた・・・。会場がどよめきだす。いよいよライブは佳境。
この時、長渕はこのライブのために作った歌「桜島」を唄いだした。桜島を目の前にこの歌を聴くと、特別なものがある。この激しい歌で、長渕は休むことなく叫び続けた。そして最後にはマイクスタンドによりかかり、息をきらし、それでもなお唄った。
歌の後、長渕は叫んだ「ここ桜島は、僕と君たちの約束の地「promise land」なんだ!」・・ここまではるばる来てよかったと思った。
一曲唄った後、太陽も顔を出しはじめ、これでオールナイトのライブは終了かと思いきや、「最後の曲だ!おまえら、ついてこいよ。」
え?最後の曲・・・桜島で彼の気力はもう限界に達したのでは??しかも、長渕は、疲れてるにも関わらず再度気合いを入れ直していた。長いイントロ・・・どこかで聴いたことのある・・ま、まさかこの曲は・・
「ヨーソロー」・・そう、captain of the ship!曲後半の内容が過激な絶叫ということもあり、長渕は10年前一度ライブで唄って酸欠を起こしてしまった、それ以来ずっと封印されてきた曲だ。。
久々唄ったせいか、歌詞は所々どもっていたりしたが、見事唄いきった。そして、「桜島」で枯れ切ったはずの声をふりしぼり、絶叫の連続・・「死んでるのか!生きてるのか〜!」「お前の命は生きるために流れている〜〜」・・最後には、客と一緒に、「生きて生きて生きまくれ!」の大合唱。。。
壮絶なラストだった。唄いきった長渕は「俺も頑張るから、おまえらもがんばれよ!」。そういって、舞台袖に消えた。

ライブ終了後は、ブロックごとの規制退場だった。しかし、太陽が顔を出し、次第に暑くなるにつれ、みんなブロックに関係なくわれもわれもと出口に殺到。規制退場のアナウンスなどどこ吹く風、あっという間に出口はものすごい人ごみで大混雑になってしまった。上がる気温、長くなる待ち時間、人と人の間が狭く、息苦しい・・・昨夕の溶岩グランドの時と同じだ。倒れてしまう人も続出し、救急車が次々と到着した。
会場からやっと出られた!そう思ったとき、また「惨状」をみることになってしまった。僕らの前を次々と飛び交うゴミ・・・座る時のシート、弁当箱、ペットボトル・・・あっという間にあちこちにゴミの山ができていた。それだけじゃない、途中の道路にも、チラシ、弁当箱があっちこっちに捨てられていた。道路は、地元の人がせっかくライブのためにキレイにしていたと聞いた。あまりのマナーの無さにあきれてしまった。

帰りの桜島フェリー、またまた乗るのに並んだ。けど、無事帰れるんだ、ファンのひしめく桜島から、様々な悪条件のなか過ごした熱い一夜から・・・そう思うと、苦にならなかった。ライブ前後は、ひょっとしたらここからでられないんじゃ?と思ってしまったし。。
フェリーの屋上で、海風に吹かれながら、鹿児島市内へと向う船に乗った。海は波もなく、おだやか。空は夏空・・オールナイトライブは無事終了した。たくさんの思い出とともに。
ホテルに帰ると、まだ午前10時・・だけど、あっという間に僕はベットの上で眠りについてしまった。表は気持ちいい晴れの日だけど、今はベッドの上が気持いい。。

( 桜島写真館


(左から1 錦江湾の夕暮れ  2 溶岩グランドから見た桜島  3 真夜中・ライブ会場にて )




(左から1 桜島に昇る朝日 2 一夜明けたライブ会場)


3日目へどうぞ〜