私の一言

産学官連携事始  連携運動の成果の考え方

 今回は”成果”を考えてみる。企業では、投入した量(人、物、金)に対して、出口として売上高、利益という尺度がある。勿論別の意味での出口として、地域貢献等の社会貢献、地球環境等への貢献もある。後者は一部債権化の話も進んでいるようであるが、企業に取っての成果とは売上高であったり利益という他との比較が出来る定量的なもので有る。最近では、売上高より利益を重要視する企業が増えている。さて、産学官連携においては何を成果と定義すれば良いか。普遍的・客観的で、比較の出来る定量性のあるものが望ましいことは言うまでもない。

 産学官連携の目的が産業活性であるからには、最終的成果としては、経済効果や雇用増であるべきである。しかしながら、この定量化は、データの取り方に大きく依存すると同時に結果が出るのに時間がかかることが予想される。一部、共同研究の件数や特許出願件数などをもって、産学官連携の成果だと声高に誇っている方々も見られる。勿論これらの数があって初めて最終的な成果が生れるものではあるが。

 そこで、連携の効果・成果を図式的に以下のように考えることを提案する。

 <産学官連携の成果>
◎インプット
(入力 或いは投資:人、物、金)
 | ↓
 |○パフォーマンス
 |(実績:PRの講演会回数、参加者数、組織作り等)
 | ↓
 |○アウトプット
 |(成果:共同研究件数・金額、取得特許件数、特許収入等)
 ↓ ↓
◎アウトカム
(成果:経済効果や雇用効果等の金額換算値)

 連携に従事する経営者・技術者はこの観点で、最終的な成果であるアウトカムをにらみつつ、所謂アウトプット成果を意識することが、本当の意味で産学官連携運動を成功に持ち込むことに繋がる。最悪はパフォーマンス実績を持って成果と騒ぐのは困ったものである。

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