私の一言

産学官連携事始 : 目的とは

 産学官連携も他の共同作業による運動同様に、運営実行上に二つの課題がある。一つは、”目的”と”手段”の混同、二つ目は、運動の目的(大目的)と、参加する個人・組織の目的(個別目的)の乖離。

 産学官連携は、手段であるはずが目的化されているし、事始2で取り上げたパフォーマンス・アウトプット・アウトカムの関係でも同じでありパフォーマンスを出すことが目的であるかの如くの発言が有識者、専門家から出てくる。

 流れ的に見ると産学官連携は、
官の立場:失われた10年の回復のための産業活性策の一つ
産業界の立場:ドッグイア現象、自前主義の放棄により成功確率の低い新技術開発のアウトソーシング先の模索
大学の立場:国立大学の法人化、少子化による大学の存亡駆けた競争。閉じた大学から開かれた大学への転換等にたいする俗世間に対する目に見える寄与の確保
及び 外的要因として、アメリカでの成功
により、1990年代に、一つの運動して起こったものと考えている。従って、この運動で、直近で一番利益を得るのは産業界であり、その利益が巡り巡って、雇用拡大、税収増に繋がり、国民、地域住民の福祉の向上に役立つと考えられるから官は応援し、良い成果を出したことで参加している大学の価値が高くなる。という図式。

 と、整理すればよいのであるが、往々にして競争的資金獲得することが目的になっていることが多いように見受けられる。大学教員の評価でも、教授で平均○○万円、准教授で平均△△万の競争的資金獲得などといって憚らない大学トップもおられるようである。勿論資金を集められることは実力を評価されての上であるから結構なことではあるが産業に使える・使えた成果をいくつ出したかが重要であると思う。又大学の競争的資金の獲得額、特許提案数、共同研究件数などで順位を表現している段階から、その大学の経済効果や雇用効果への寄与で比較するように早くなって欲しいものである。

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