
いつの時代も若い人への期待が大きいが!!
いつの時代も若い人への期待が大きいことは事実。しかしほんとに、若いときだけに成果を出しているのだろうか。経験を積んだ高齢者は成果と呼ばれるものを出していないのだろうか。というのが問題意識の発端。比較的成果の定義がはっきりしている科学技術の分野を取り上げ、科学者はノーベル賞受賞者が対象となった事柄を達成・発見した年齢、技術者は歴史上非常に大きな貢献をしたと思われることを提案・実現した年齢を調査した。データが得られた163人についての結果を添付図に示す。

予想通りに20才代後半から30才台前半にかけて非常に大きなピークがあるが、よく見ると50才台から60才台前半にかけても小さいながらもピークが見られる。やはり成果は若い時期に多く出ることは事実であるが、若い頃の経験等によって年齢を重ねることで初めて成果が出ることもあるようである。しかし、思ったより山が低いように思える一方、第一線で働く科学・技術者数が、40才台以降、若い人の指導や場合によっては経営への参加により実質的な減少を考えれば納得できる。同じ年代の全科学・技術者数に対して成果を出す科学・技術者の割合を考えると、高年齢層が成果を出す割合は、若い世代に比べると同程度か或いは高いのではと想像できる。
高齢化時代を迎えた日本で、理工学系に進む子供の減少や理工系大学院の進学競争率・充足率低下(学生の質の低下に繋がる)傾向、資源の無い日本が今後とも成長を続けるには”ものづくり”で生きていくことが必須という条件下では、その基礎となる科学技術の一層の振興が必要である。一つの打開策として、40才台以降の科学技術者に成果を出させる仕組みはどうあるべきかを(今取り組まれている女性研究・技術者が十二分に働ける環境作りと)、並行して考えることが必要と思われる。研究・技術者は、年齢に関係なく諦めずに勇気と気概をもち課題へ挑戦して欲しいものである。