寺社遍歴

第29回 韓国寺院の見たまま:日本の寺院と比較すれば

 たった一日三箇所韓国慶州近くの寺を訪れただけで、「韓国のお寺では」という「”・・でわ”の守」にはなりたくないが、訪れることで素人が感じることもあり、それを書き記すことは意味のあることだし、思い出としても纏め残しておきたい。ここでは韓国の寺で見たまま感じたままを記す。

 日本の寺院と異なると気付いた点は三つ。

〇日本の寺では入り口近くの門に、仁王像(一対のばあには、口を空けている阿形(あぎょう)と口を閉じている吽形(うんぎょう))が安置されていることが多いが、韓国では、仏法上ワンランク上の守護神である四天王が飾られている。
写真は仏国寺の入り口の門から2番目の門(四天王門)。各々の天王像は足で餓鬼を抑えている。

〇建物の色彩:韓国の寺は、どの建物も派手な色で飾られている。
 「21世紀仏教の旅 韓国」(五木寛之著)によれば、丹青(タンチョン)様式と呼ばれ赤・青・白・黒、の五色で陰陽五行説の影響によるとの事。日本の寺院が大体において地味な配色であるのと大いに異なる。日本の寺は神道の影響か一般に地味な色彩。絵も白黒の水墨画が中心。写真は、石窟庵で見かけたお堂で、お祭のために提灯がぶら下げられているがこれも五色。

〇韓国の寺でも鐘楼があるのは同じだが、釣鐘は一回り以上大きく、地上すれすれに吊り下げられている。写真は、4箇所(仏国寺、海印寺、石窟庵、釜山の龍頭山公園)で見かけた鐘楼。

 日本仏教の故郷”韓国仏教”であるが、よく見ると同じ仏教でも少し様相を異にする。伝来以来固有の宗教(神道)と上手に融合(神仏習合)し、約100年前までは時の権力者により手厚く保護されてきた日本仏教に対して、朝鮮王朝(李氏朝鮮)の成立以後、中国の冊封体制により仏教が弾圧された韓国仏教の差が出てきているのかもしれない。その意味からいえば、韓国仏教のほうがより本来の仏教に近いのかもしれない。       ということを感じた訪問でした。

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