
(2009年8月)
最近古代日本史に関する著作を読んでいる。歴史学者によるものもあれば、歴史作家と呼ばれている著者のものもある。体系だった読み方とはいえないが、兎に角、全貌を知るために手当たり次第読んでいる。著者名を挙げれば、井沢元彦、金達寿、黒岩重吾、小林惠子(ヤスコ)、関裕二、吉村武彦、森公章等々。怪しげな人もいるかもしれないが、日本書紀や古事記の記述、特に人名・地名や言い回しに慣れていないので読みにくく中々頭に入って来ない。その中で、朝鮮(韓?)半島から子供のときに日本に来た(在日朝鮮人と呼ぶのか在日韓国人と呼ぶのか分らない)作家の金達寿の著作の中に 「人種と民族は違う」という言葉を見つけた。簡単にいえば(差別という概念に結び付けなければ)、「人種」とは、生物学的特性、「民族」とは、歴史的・文化的特性によって決まるもののようだ。自分の頭の中では、どうも両者を都合よく混同してきたようだ。
日本人の祖先は9人の母親から出発しているそうだ(「イヴの七人の娘たち」Bryan Aykes著大野晶子訳ソニー・マガジンズ、2001年11月、原タイトル:The seven daughters of Eve)。その母親の何人かは大陸・半島から来たに違いない。元々は同じ人種でも、異なる風土で歴史を積み重ねると、考え方等もこんなに異なってくるものだろうか、面白いといえば面白いのだがこれが国際間の紛争の種や、民族的優位性の根拠になるのは困ったもの。日本人の特性は、調和的であり(金達寿)、伝統にこだわらず新しい思想や文物を受け入れ咀嚼する(黒岩重吾)とある。日本の古代史を理解するにはこんなところから見直していかないと、日本民族の大事なことを、見落としてしまいそうだ。
広辞苑によれば、
「人種」とは、「(race) 人間の生物学的な特徴による区分単位。皮膚の色を始め頭髪・身長・頭の形・血液型などの形質を総合して分類される。コーカソイド(類白色人種群)・モンゴロイド(類黄色人種群)・ネグロイド(類黒色人種群)の三大人種群に分類されるが、オーストラロイド(類オーストラリア人種群)・カポイド(コイサン人種群)を加えた五大分類も行われている。」
「民族」とは、「(nation) 文化の伝統を共有することによって歴史的に形成され、同属意識をもつ人々の集団。文化の中でも特に言語を共有することが重要視され、また宗教や生業形態が民族的な伝統となることも多い。社会生活の基本的な構成単位であるが、一定の地域内に住むとは限らず、複数の民族が共存する社会も多い。また、人種・国民の範囲とも必ずしも一致しない。」