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:「悪魔の小太陽−原爆投下にたずさわったアメリカ人技師の物語」
(岡本好古著 原書房 2009年)を読んで(2009年9月)
「悪魔の小太陽−原爆投下にたずさわったアメリカ人技師の物語」(岡本好古著 原書房 2009年)を一気に読んだ。
良し悪しは別としてマンハッタン計画(M−Pj)には、プロジェクトの進め方という観点で興味を持っている。興味の主題は、あれだけ個性豊かな多くの科学者の集まったプロジェクトを、どう管理運営したのかという観点。M−Pjを、ドキュメンタリー的に扱っているものは、科学者サイドのものは多いのだが、科学者以上に、多数参加した技術者の視点で書かれた物は余り無い。この本は、技術者の視点で書かれているといることを期待して読んでみた。
主人公は、冶金技術者(日本的には研究者に分類されると思うが、アメリカでは学位を持っていないので技術者なのか)で、民間企業から軍の研究所に出向させられ、原爆の外囲器とその金属材料を開発したことになっている。科学技術的な記述はサラッとしており、技術者としての感慨よりかは、一般的人間的な観点での感慨が中心。少々期待はずれだが、内容的に何処までがフィクションなのか、ノンフィクションなのかわからない。あとがきに「この、小説では「きのこ雲」の下を<見なかった><見えなかった><見ようとしなかった>、アメリカの国家意思の頂点に位置する人々とその末端に位置する市民たちの姿を描いた。」とある。全てがフィクションでなく、ノンフィクションとの境を示して欲しいもの。内容的には、訴えるのはあるのだが自分の興味対象では無かった。