2017/6/1
ジョブローテーションでキャリアアップ

転職ノウハウ比較!ジョブローテーションでキャリアップ(転職)


ジョブローテーションとは、社員の能力開発のために、人材育成計画にもとづいて定期的に職場の異動や職務の変更を行う人事制度のことですが、よく転職市場では不利だといわれています。実態はどうでしょうか。元転職エージェントが、ジョブローテーションがある企業にいる人材のキャリア論を考えます。

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ジョブローテーションを活かした人・活かせない人

ジョブローテーションがある企業からの転職相談も非常に多かったですが、その成功・失敗を考える2つのケースをご紹介します。

 

1人目はベンチャー企業の営業からWEB制作・運営プランナーに転身を果たした女性です。最初、営業の仕事は数字を追うばかりで楽しさが分からなかったのですが、所属していた企業のジョブローテーションで、WEBサイトの運営に異動になります。

 

運営していたサイトがヒットしたことで楽しさを見出し、その運営のノウハウを顧客に提案することにやり甲斐を感じて、今度は提案営業ができる形で営業職に戻って活躍するようになり、そのキャリアを活かして現職のプランナーへキャリアチェンジを果たしたのです。ジョブローテーションで、顧客志向という自分のキャリアに気付き、それを活かしてキャリア形成を果たした幸運な例でした。

 

もう1人は残念ながら、ジョブローテーションで失敗した方で、大手金融機関に勤めていた30代の男性の方でした。今までのキャリアが営業→システム開発→総務を5年ごとに経験した、という大手企業にはありがちな脈絡のなさで、当然、転職サポートも苦戦しました。

 

このようなタイプで多いのは、自分が「語れる経験」がないこと。受け身で異動して目の前の仕事を漫然とこなしているだけなので、強みがないのです。結局、大幅なダウンで中小ベンチャー企業に転職されていきましたが、何のための転職だったのか分からない、というのが実感でした。

 

ジョブローテーションのある会社でのキャリアアップを考える

こうした、ジョブローテーションのある企業でのキャリア形成の成功・失敗を分けるポイントは、自分から能動的にキャリア形成を考えていたかどうかが重要です。今は、ジョブローテーションがある会社でも、異動の希望が出せる、会社の教育研修の一環としてキャリアプランニング研修がある、といった会社が多いです。

 

こうした機会を活かし、受身で異動の内示を待つことなく、自分から積極的にキャリアを築き上げる努力を、ふだんから怠らないことが大切です。 特に、ジョブローテーションがある企業で、自発的にキャリアを形成するうえで、押さえておくべきおすすめのポイントが2つあります。

 

おすすめ1:上司との関係性を構築する

1つ目は上司との関係性で、こうした企業においては、異動の際に、上司が意見を述べられるなど、一定の影響力を持っているケースが多いです。そこで、ふだんから、自分の将来設計、キャリアプランを伝えておき、良好な関係を築いておきましょう。

 

そして、異動の際に、自分が望んだ方向に取り計らってもらう、場合によっては、キャリアチェンジの推薦をしてもらうなどの働きかけをしたもらう、といった配慮をしてもらうのです。

 

おすすめ2:人事部へのPR

先ほどもいったように、今は、ジョブローテーションがある企業でも、従業員がキャリアプランニングの研修を経て、自分のキャリア計画書を会社に提出していたり、MBO(目標管理制度)を通じた、自分の目標や将来設計を会社に明らかにしていたりするケースが多いです。つまり、ジョブローテーションがあるといっても、自分からキャリア形成のPRをするチャンスが与えられているのです。

 

異動の時期にこれを活用しない手はありません。人事部との面談制度がある会社ならば、キャリアプランとの整合性をきちんと話し合って、キャリアプランが活かされるように努力しましょう。こうした努力を経てもなお、自分のキャリア形成と整合性が取れない場合は、次のパートで考えるように、転職も視野に入れる必要があります。

 

ジョブローテーションのある企業からの転職のポイント

さて、これらを踏まえたうえで、ジョブローテーションがある企業から、転職に踏み切るかどうか、判断するポイントについて考えてみましょう。

 

①自分の「キャリアプラン」と照らし合わせる

第一のポイントは、前に述べたように、自分が考えたキャリアプランと整合性が取れるか、取れないかという点です。その会社でやるべきこと、やりたいことがもうない。これ以上今の仕事を続けても、自分のキャリアプランと整合性が取れない場合は、転職を考慮しても良いと思います。

 

もちろん、自分のキャリアプランと整合性が取れなくなっていても、現在の仕事を真面目に続けてさえいれば、当面の生活は安定しているようにみえます。しかし、自分のキャリアを会社に依存するというリスクにさらすことになります。

 

今の時代、大手企業でも突然の不祥事などの経営破たんのリスクがあります。「今の会社を出たら、何も評価できるポイントがない」というのは、とても危険なことなのです。

 

②転職エージェントを活用する

もう1つ、考慮しなければならないポイントは、自分の「市場価値」です。転職市場も需要と供給から成り立っていますから、いくら、自分のキャリアに自信があったとしても、需要がなければ、残酷なようですが、あなたに価値はないのです。

 

あなたという人材に需要があるかどうかを確かめる確実な手段は、転職支援のプロフェッショナルに相談することです。普段から、転職エージェントと関係を構築し、自分のキャリアが他社で必要とされるものになっているかどうか点検しましょう。場合によっては、キャリアプラン自体の見直し・修正も必要になります。

 

最後に

最後に、今回の記事のまとめ・結論として、「ジョブローテーションは転職に有利か?不利か?」について考えてみたいと思います。答えになっていないかもしれませんが、「それはあなた次第だ」というのが結論です。

 

これまで強調してきたように、転職に強い人材の特徴は、自発的にキャリアを形成してきた人です。会社にジョブローテーション制度があるかないかということと、転職の有利・不利とは直接的な関係がありません。転職業界でよくいわれるように会社を“うまく利用して”ステップアップしてきた人材が、転職に強いのです。

 

キャリアアップは会社・組織から与えられるものではなく、自覚的に築き上げていくもの。ここに早く気付けるかどうかが、キャリアアップの大きな分かれ目になっていくことでしょう。