原題 ; TERROR EYES(1989) |
監督 ; エリック・パーキンソン |
脚本 ; ヴィヴィアン・シリング、エリック・パーキンソン |
音楽 ; ジョン・マッカラム |
出演 ; ヴィヴィアン・シリング、ランス・オーガスト、ダン・ベル |
「ヘルダミアン/悪霊少女の棲む館」と関係のない作品とは分かっていたが、それでも二重に驚かされた。 第一の驚きは、この映画がオムニバスだったこと。いくらインチキ続編でも、わざわざオムニバスを選ぶことはないと思うが。 ちなみにビデオジャケットで本作がオムニバスであることを示唆しているのはアンソロジーと言う一語のみ。 第二は、3話中オリジナルのドラマは第1話のみで、残りの2話は他から持ってきた寄せ集めだったこと。そのためラストには3種類のエンド・クレジットが流れる。トホホ。 一応、ホラー映画の脚本を書くことになった女性が夢に見たり知人に聞いたりした物語という設定になっている。 第1話は、セールスマンに無料の本をもらった夫婦の話。 本には夫婦個人について書かれている。結末を読むと夫の死が書かれていた。 怖くなった夫婦は本を処分しようとするが、捨てれば戻ってきて焼いても燃えない。 酸をかけて溶かそうとすると、部屋に煙が立ち込めて夫の顔が焼けただれはじめる。 というところで主人公が目を覚ます夢ネタ。 第2話では、ギャンブルで借金を背負った男が泥棒を指示される話。 指定の家に忍び込むと女の死体が転がっている。 男があわてて逃げ出すと、なぜか同じ日の繰り返しになる。 今度は犯行直後に到着、犯人に撃たれそうになる。 で、また同じ日。今度は先に忍び込んで犯行を待つ。犯人は盗みを指示した男。奥さんを殺して、泥棒と相打ちで死んだと偽装しようとしていたのだ。 男は犯人を射殺して宝石を盗み引きあげるが、通りでトラックにはねられてしまう。 女脚本家の友人の体験談という設定なので「僕は、その後逮捕されて更正したんだ」なんて、とってつけたフォローが入る。はねられたのに。 第3話は性差別的ゲームを作るメーカーのボイコット活動をしている女流チェス・プレイヤーの話。 ある日、女はゲーム会社の社長に拉致されてしまう。 異常な社長は死のゲームを仕掛けてくる。 女が迷路のような地下を脱出すると、地上は西部劇のセット。周囲に引かれたラインを越えてセットを出るとセンサーが働いてマシンガンの掃射を浴びる仕組みになっている。 与えられた武器はナイフのみ。社長がライフルを持って女を捜すと、ラインの縁に「助けて」のメッセージとナイフが置いてある。 ナイフを拾おうとした社長は、マシンガンに撃たれて倒れる。女は境界線のラインを外にずらしておいたのだ。って、どうやってラインをずらしたんだ。撃たれるのに。 というわけで、どのエピソードもひねったようでいて、つまらないオチになっている。 ついでに女脚本家の夫に悪魔が乗り移って見えない銃で友人たちを射殺する。と思ったらやっぱり夢だったって、しょーもないおまけのストーリーもついている。 余談=製作・監督のエリック・パーキンソンはオムニバスが好きなのか、1993年にも「フューチャー・ショック」というオムニバスを作っている。やっぱり、おバカな作品だが、エピソードのひとつにビル・パクストンが出演していたのが幸いしたか日本でもビデオソフト化された。 |