感動作サントラ(Vol.1)
まごころを君に(1968)
CHARLY

アナログ盤アルバム(輸入)
公開当時、原作「アルジャーノンに花束を」は一部で高い評価を得ていたが、まだ一般的ではなかったため、この題名がつけられたらしい。
その後原作が有名になったため、最近のソフト化では「アルジャーノンに花束を」のタイトルが使われているようだ。
監督が名作「野のユリ」を撮ったラルフ・ネルソン、脚本が好調な時期のスターリング・シリファントとあって、派手さはないがしっかりした作りの作品だった。
後にテレフューチャー版や日本のテレビシリーズ版が作られ、それぞれ悪い出来ではないのだが、原作と比較されてしまうため、高い評価は得られなかった。名作小説を映像化する場合の困難な点だと思う。
作曲はシタールの名手ラヴィ・シャンカール。彼のソロ・アルバムとしても楽しめる出来になっている。
5分を超えるA2「CHARLY THEME」が力作。幻想的な味わいの曲になっている。
A3「SCENIC TOUR」、A5「TERMOIL]は弾むようなリズムで明るい曲調。
B1「LOVE MONTAGE」は、さらにカラフルなキラキラした印象の曲。
B2「VARIATIONS ON LOVE THEME」は、美しいメロディの中に哀愁を感じさせる。
B4「LOVE THEME TRANSFORMATION」では、シタールを伴奏に弦楽器がメロディーを奏でる。
最後を締めくくるB5「CHARLY THEME AND RESOLUTION」は、主人公チャーリーのテーマが物悲しく演奏される。

愛すれど心さびしく(1968)
THE HEART IS A LONELY HUNTER
CDアルバム(国内)
アラン・アーキンが主演した名作のサントラ盤。作曲はデイヴ・グルーシン。
テーマ曲のメロディーラインが見事で、デイヴ・グルーシンはピアノ・ソロ曲にアレンジして幾度か再レコーディングしている。
バンド演奏のバージョンが聴けるのは、サントラ盤のみではないかと思う。 ピアノソロ・バージョンとは一味違うスケール感のある演奏になっている。
2曲目「会話の時間」、14曲目「孤独な夜とスピロスの死〜シンガーさん何処?」、15曲目「エンド・タイトル」でも、このテーマのヴァリエーションを聞くことが出来る。
作品全体としては、劇伴の曲数を抑えて、レコードやバンド演奏など劇中の実音に合わせた曲が多めになっている。
3曲目はレストランで流れるポップなヴォーカル曲、7曲目は同様に使われるカントリー・ウェスタン・ソング。
8曲目はパーティー場面のイージー・リスニング。10曲目は同じくパーティー場面にかかるコーラス曲
12曲目は遊園地で聞こえるカントリー・ウェスタン・ソング。13曲目は公園で聞こえるポップ・コーラス曲といった具合。
作品自体の抑えた演出を生かすための配慮らしい。
逆にアルバムの方は映画のイメージよりも、ヴァラエティ豊かな音楽集となっている。
やはりテーマ曲が出色の出来栄えということに変わりはない。