連邦正規軍以外のNAIS卒業生    戻る  NAIS卒業生とは? へ

こちらでは、恒星連邦正規軍、もしくはNAIS以外の所属で3025年にNAIS卒業生を使用したいという要望の方の場合について検討してみたいと思います。
  ・・・・まあ、サザエさんモードの3025年代であれば、年代が進まないのですからNAISパックは使用可能、入学・卒業時期などの設定も無視というハウスルールを使うのが一番手っ取り早く、無難なのでは有りますが・・・・
 ルールブックをなるべく守って遊びたいという方のために。


○恒星連邦の傭兵部隊
 傭兵は正規軍でないので入学は不可能です。以上。
 ・・・というのもひどいでしょうか(^^;)
 では、あくまで“少ない” “例外” “かも” しれない事なのですがちょっとだけ検討してみます。
 まず、恒星連邦は、伝統的に傭兵部隊を厚遇しています。

メックウォリアーP161>>その多くは王家に何十年も仕えつづけて来て契約を交わした傭兵というよりも常備軍のようなものになっています。

 と設定されているのです。非常に信用の置ける傭兵部隊出身なら、例外的に入学が認められるかもしれません。もちろん、ライラからの留学生に輪をかけて少ないでしょうが。
 ただし、NAISに入学することはできるでしょうが、卒業後は間違いなく正規軍に入隊せざるを得ません。傭兵部隊に、32歳未満で大学卒業したキャラが所属するのは、ほぼ無理なことと考えるべきでしょう。というより、奉仕期間が終わるのはどんなに速くても3030年ですから、(サザエさんモードの)3025年でキャラクターが遠く離れてプレイすることに慣れていない環境であった場合は「事実上のキャラロスト」に近いことになってしまいます。
 どうしても恒星連邦の傭兵部隊でNAIS卒業生を使いたい場合、なにかもっともらしい理由を考える必要があります。例えば・・・
 「新型メックの稼動試験の護衛に傭兵部隊を雇ったNAISのテストパイロット」
 「新装備の稼動試験のため同上、」
 「傭兵部隊の監査役として派遣されてきた」
 「政治的な裏取り引きによって正規軍での奉仕のところを出身傭兵部隊での奉仕にまけてもらった」
というような理由を考えてGMに認めてもらい、しかもNAIS卒業者は部隊に一人までとしたほうがいいでしょう。

 

 ○ライラ正規軍所属であるNAIS卒業生
 3023年に学生受け入れによって入学した人は、3025年には大学2〜3年生ですので使用できません。年代を3027年末くらいに進めましょう。その上で、「政治的裏取り引き」で奉仕期間を免除してもらった」という設定を認めてもらうよう交渉します。
 また、それ以前の年代でも、恒星連邦との戦力交換でライラに派遣された、という設定が使えます。(後述参照)
 あるいは、奉仕を免除してくれるように交渉するシナリオを実際に一本行うというのも面白いかも知れません。
 失敗した場合、そのNAISキャラは恒星連邦正規軍でプレイし、出身部隊のほうはライラ共和国でプレイするという事になりますが、がっかりはしなくても大丈夫です。そもそも、キャラクターが相互に遠く離れた場所で行動するのは、プレイの仕方としては普通なのです。

P18>>主にファンタジーRPGだけを経験していたプレイヤーやゲームマスターはそうしたゲームに描かれる中世ファンタジー世界と、西暦3025年の“バトルテック”世界との、一つの大きな違いに注意してください(中略)部隊の全員が同じ場所で一斉に行動するようなことは、ほとんどありません。同じ“メック部隊”に所属する戦闘小隊ですら、惑星規模の作戦のため、お互いに数百キロ離れた場所にいて、違う目標に挑んでいることがしばしばあるのです。 

 特に偵察兵などは別の惑星上で行動することもしばしば(P31〜等)です。主に、部隊の主力が到着する数ヶ月前に襲撃予定惑星に単独で降下し、情報収集や各種工作を行っておくのです。
 ですから、例えば恒星連邦とライラ共和国という遠く離れた宙域での部隊間の行動が密接なつながりを持っている様をプレイヤー達に示すといった、高度なプレイなどを行うことをお勧めします。

 海外記述注:
 自家翻訳されている方から聞いた情報ですが・・・
 この時期、恒星連邦とライラ共和国は、第4時継承権戦争の準備のため、高度で大規模な演習を何度も行っています。ライラ共和国はドラコに攻め入るために。恒星連邦はカペラに攻め込むためにです。これらは相互に深く関係しており、戦力交換などもこの演習の時に良く行われているようです。また、戦力の再配置等も行われています。二つの王家に別れてのプレイは、かなり興味深い事になると思います。

 

○その他の継承国家の正規軍の場合
 自由世界同盟、ドラコ連合、カペラ大連邦国の場合、次のような記述があります。

 P189>>クリタ家、マーリック家、リャオ家の全てが、NAISに諜報員を学生として侵入させようとしたり、他の学生を自国で働くように裏切らせようとしています。

 この記述からして、以下のような経歴であれば、その他の継承国家の正規軍所属としてNAIS卒業生を使用することは可能と思われます。
「他の継承国家のスパイとしてNAISに派遣され、なんとか無事に4年間正体を暴かれずに卒業できた。そのため他の継承国家所属なのにNAIS卒業生である。今いる部隊には、大学で学んだことを教えるために派遣されている。ただし、技術の漏洩を防いだり見せしめにするために恒星連邦の特殊部隊から追われる身である。」
 「うらぎりの誘いを受けて恒星連邦正規軍を脱走したNAIS卒業生である。今いる部隊には(以下同文)」

・・・・かなりデンジャラスですね。こういった設定ですと、 もし無理にNAIS卒業生を使った場合非常に困ったことになりそうです。なにしろ、シナリオの最中に突然『知識の漏洩を防ぐために暗殺者が送り込まれていて狙撃され、キャラは死亡、その後一日ぼうっとしていた』等ということがおきえます。・・・まあ、普通のGMであれば、暗殺者が来ている兆候を提示してくれますので、それを察知して防備を固めれば大丈夫になるものなのですが・・・ともあれ、本来できないことを曲げて認めてもらったのですから、この程度の不利益は甘んじて受け入れるしかないと思われます。

 

○恒星連邦以外の傭兵部隊所属の場合
 恒星連邦以外の傭兵部隊の場合、NAIS卒業生を使うのはさらに難しくなります。
 学生としてスパイを送り込んだり裏切らせたり、あるいは政治的な裏取り引きで手に入れたような・・・苦労して手に入れた貴重な人材を傭兵部隊にまわしてくれる可能性など、なきに等しいものでしょう。傭兵部隊にまわすくらいなら、正規軍にまわします。となると、考えられる設定は、以下のようなものなどになるでしょうか?
 「問題を起こして脱走兵となり、整形手術と指紋変更手術などを行い大学卒業の経歴を隠している。」
 「もと恒星連邦正規軍だったが、部隊ごと裏切って他の国に傭兵として仕えるようになった。NAIS卒業生キャラは奉仕期間の最中だったが、裏切りによってそれらはうやむやになった。よって、傭兵部隊ごと恒星連邦から目の仇にされている。」
 これを、GMに申請して認めてもらうわけです。こちらもデンジャラスですね〜〜〜

 

○リプレイ・小説における実際の例

バトルテックリプレイのNAIS卒業生
  ヨシヒロ、エンドウ博士:P189のイラストに出ています。スカイア連邦ニューキョウトの太守の一族で29歳。経験値1万6千。現役卒業の場合、3017年に卒業、入学はNAIS設立の3年前である3013年となります。
 エルウィン・フリーデン大尉:エンドウ博士と同クラスだったそうです。アージェの従兄弟で29歳、経験値1万。現役卒業の場合以下同文
 リサ・シュタイナー二世:ナンディ・シュタイナー公爵の長女。25歳。国際政治学科卒業。現役卒業の場合3021年に卒業、入学は3017年になります。

メックウォリアーリプレイのNAIS卒業生
 ユージン・サモンジ中尉:3026年で29歳。経験値3050点〜不明。元恒星連邦の信頼された傭兵部隊に所属していて入学し、卒業後農業関連の研究者として大学に奉仕している途中、戦力交換でライラに所属変更したエルミート旋風騎士団所属の兄が裏切り者に殺されて、奉仕を切り上げてもらうための裏工作などをして大学を円満除籍したという設定があるそうです。現役卒業の場合3019年に卒業、入学はNAIS設立の1年前である3015年になります。

バトルテック小説のNAIS卒業生
 グレイデス小説:登場せず。
 戦士達の邂逅:登場せず
 独立愚連隊シリーズ:サモンジ中尉。(設定はストーリーやメカなどと同じようにリプレイとかなり異なる部分があるようである)

 バトルテックリプレイにはNAIS卒業生が3人も登場しています。これはかなり極端なことであると思われますが・・・
 バトルテックリプレイは、メックウォリアーのルールブックがきちんと翻訳される前に作成されたため、細かいルール・設定は適用されていません。これは、早期にバトルテックの販促のために作成されたという側面も有ると推測されますので、まあ、当然の事であり、なんら問題はないと思います。
 (われわれにしても、限定された情報でプレイして、バトルテックのルールや設定に反するプレイをすることは非常に良く有る事です。また、バトルテックのサプリメント総計は膨大な量になり、全てを翻訳するのは現実的に無理です。さらに、それらのサプリメント全てを把握して一切の矛盾を無くした製品を出すのは原書を書いているFASAのプロでも不可能と認めています)

※海外記述注:
 噂では、NAISにはその前身となるNAMA大学が有り、その在学生がそのまま初期のNAISに編入され、第一期のNAIS卒業生となったそうです。各継承王家は、敵対している王家の人間ですらこういった教育機関に積極的な受け入れを行っているそうです。上記の例の場合、このように特殊な事情がある可能性が高いものと思われます。
 事実、サモンジ中尉、エルウィン大尉、エンドウ博士はNAISの知り合い同士のようです。これらを合わせて推測すると、彼ら3人はいずれもNAIS設立以前の、国外からの入学受け入れ禁止処置が定まる前にNAMAに入学し、そのままNAISに編入されたのではないかと思われます。リサ・シュタイナーさんについては・・・どうやら本気でものすごく優秀と思えますので、「NAMAに通常より若くして入学していた」のではないかと推測されます。

それ以前に、アリアスと「ツレや。タメ口聞いてんで。」ちうのがどうにも不自然に見えるんですが・・・(^^)