孤歩と無銭153Kmペテガリ岳・ ポンヤオロマップ岳
ペテガリ岳は、中日高に位置し「遙かなる山」として登山者憧れの山であり、ポンヤオロマップ岳は東尾根の中間に位置する。
ルートは、ペテガリ山荘がある日高側の西尾根は、過去に利用されていた静内町の道道静内中札内線(日高横断道路)林道が数年来の通行止めにより、神威岳からの山越え新ルートにより歩かれている。
十勝側の東尾根は、長大な尾根歩きを強いらテント装備による遠き山であり、両尾根とも一泊装備が必要となる。
ペテガリ岳は、私にとって北海道100名山(北海道新聞社と山と渓谷社合わせ118山)の100番目に当たる。
記念計画は、ロングコースと言われる東尾根そして西尾根次いでペテガリ山荘から山越えで神威山荘まで縦走後、153Kmの道程を自転車で踏破し2泊3日で登山口に戻ろうと言う少々無茶な計画である。
初日:夕刻、下山口予定の神威山荘の階段に自転車を残置すると大雨の中、大学生8人がズブ濡れ状態で姿を現す。
「山越えでペテガリ山荘に向かったが、悪天候で引き返し、神威山荘を目前にし沢増水により、11時から17時までの6時間、濁流の恐怖に震えて今やっと渡渉できたんです!!」と皆さん無事で何よりと思う反面、この先に不安を覚える。
ペテガリ岳東尾根の登山口となる「択進」へと野塚トンネルを抜け大樹町を経由して道道清水大樹線の坂下農道(択進)標識から左折、5.4Km程に農場があり、左手の林道入口には「歴舟川林道」の木版が、更に1.3Km先の林道分岐にはペテガリ岳登山口まで10Km標識がある。
ポンヤオロマップ川沿いの林道は比較的良好で、ペテガリ橋に隣接する広場がポンヤオロマップ岳登山口標識があり、林道も終点のようであると小雨の深夜到着して車中泊。
1日目、青空にウロコ雲が高いと東尾根に取付くも尾根への急登が続き、鉄梯子まで出現すると尾根道が明確となる。
緩やかな起伏が続き、高度が上がらない尾根歩きは樹木に展望もあまりなく単調な時間帯が続き、1121Pへの登りに背中の水が重く縦走の宿命である。
1121Pからは、ポンヤオロマップ岳への稜線に距離感を確認して、頂上への登りはロープ等もあり、一気に高度を上げると展望が限定される木々の茂った狭いポンヤオロマップ岳頂上であり、ここまでは一般登山道と同じである。
頂からは、霧雨に展望はなく淋しい…ここが決心!!と明日の天気を期待して予定に従い、ペテガリ岳へと一気に高度を落とすと鞍部に一張テント適地があり、尾根筋にアップダウンを繰り返す程に藪漕ぎが強くなり、天候も下降気味で強風に霧雨が混じり辛い時間が続く。
稜線歩きにかすかな踏跡を確認しつつ、気象条件とヤブ漕ぎに体力を消耗するが、順調に辿ると、1573Pから派生する国境稜線を見てペテガリ岳への距離を実感する。
岩場ピークの明るい稜線上の1573Pは絶好景地で、この天候下に一度もペテガリ岳を眺める事なく、この先進んでも情けなく又ペテガリ頂上のテント場が強風での不安もあり、1430と時間が早いが岩場下の風よけ適地にテントを広げ暖まる。
夕刻になると東尾根の左眼下に街の灯火と青空が広がり、振り返ると雄々しく気高いペテガリ岳を初めて見た瞬間…思わず感嘆の声が出る…長かった東尾根の踏破を実感したと無限の時間を味わう…明日の天気に賭ける!!
2日目、テントに草模様が写る明るさ!!驚いてテントを開けると青空に水平線の雲が赤く染まり、高い月と雲海にペテガリ岳が新鮮な空気に全容を見せ感動のドラマ…国境稜線の山並み越しに神威岳が見える…音のない空間が広がり一人岩に腰を降ろす。…つづく
@ 1573Pからペテガリ岳
A ポンヤオロマップ岳
B ポンヤオロマップ岳頂上
C ペテガリ岳
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