変化あるルートの優峰
丸山は、東大雪に位置する唯一の活火山で、ニペソツ山南方に聳える1600m級の比較的知名度の低い山であるが、山懐に噴泉塔を抱える大きな山容である。
噴泉塔は、温泉が噴出し石灰華の沈殿物が周囲に堆積して、長年かけて塔のように形成するとあり、国内では石川県・栃木県等が有名である。
登山口へと国道275号線を十勝三股から糠平町に向かい丸山橋を過ぎると送電線が見え、国道口に幌加音更林道(管理:幌加森林事務所01564-4-2330)ゲートと幾つかの標識一番下部に「噴泉塔」標識に自転車に跨るも、前日の宴席で寝坊しゲート通過が10時前と時間行程が厳しい。
この山は、今春5月末に情報がないままアイゼン・ピッケル装備で林道を行くも五の沢筋から遠ざかり又沢靴もないと支湧別岳(北大雪)に変更したが、先日にHP「一人歩きの北海道百名山」
のsakaguchi氏が丸山を目指し次いでHP「あまいものこの甘藷岳山荘」のHaさんが2度目の頂上に立った貴重なルート情報により念願の山行である。
幌加川沿い林道の望山橋を渡り(駐車スペース有り)、林道が五の沢左岸沿い付近に近づいた岩場から徒歩に移行して、林道をトラバース(車両はここまでが無難)して、林道は砕石を敷いた状態次いで蕗に覆われ、崩壊部の狭いガレ筋から再び作業道に変わり、五の沢の濁音に眼下に眺めながら、緩やかに高度を下げると右手からの沢水を合わせる五の沢に出る。
茶色の沢石と乳白色の沢水そして時折、流木を跨ぎながらの時間が続くと東丸山出合の沢筋手前から左岸に大きく巻道があり、再び五の沢に降りて程なく温泉独特の臭いの二股で、左沢が清流、一段と赤みがある右沢であるが、中間歩きの標示テープもあるが、右沢筋に方向を保つも茶色の沢が異様な景観である。
草木の植生がない明るい白ぽっ広場の白岩の一段上の山間に噴泉塔と不気味な黒沼が広がり、噴泉塔上部に釘の穴程から水が沸き出て又黒沼からはブツブツと泡が至るところで水泡を作り、黒筋の流れが噴泉塔横を流れて独特の景観が広がる。
丸山へと噴泉塔後方の獣道から赤い沢を辿ると左手に赤い滝が流れ下流は赤く染まる。
赤滝より上部の沢が清流に変わる沢筋を辿ると高度1290m付近の二股である。
どちらの沢も上部は涸沢であるが、右沢の方が広く地図では左沢と平行して延びていると広い右沢に入る。
「後刻、HP「あまいものこの甘藷岳山荘」の記録では、左沢は藪も薄く頂上部まで沢石を辿れ、鹿道そして標示テープも少し有りと左沢が正解と知る」
右沢の涸沢の石も高度1500m付近で完全に消えて、濃密な藪が前方を塞ぎ、左沢方向へと高度を保ちながら横切り、藪の薄い箇所をと移動すると右沢と左沢の中間尾根付近で笹丈も低くなり、頂上への希望が出る。
緩やかな斜面の灌木と草原の広い尾根に出て、落ち着いた景観に獣道を辿ると程なく左沢が突き上げた丸山頂上部の崩壊跡に出て、水色の「イワブクロ」の花が点在する尾根筋を迂回して灌木を抜けると大きく広やかな頂上部で落ち着く空間が心地よい。
更に奥へとハイマツを漕ぐと最高点が三角に尖るも出発時間が遅く又藪漕ぎで時間を費やして時間的に余裕がなく、丸山の頂上部をハイマツ帯に探す気力もなく、霞む空の下落ち着いた高所に立たずむ。
下山と、雲海に頂上部を切るニペソツ山を見て高度を下げるも、地下足袋は軽快感があるも足の裏が痛く、足に包帯を巻いて濁った沢を歩き、東丸山出合からは遙か上方の東丸山を見上げる。
このルートは、沢歩きの難しい箇所もなく噴泉塔・赤滝そして頂上部と東大雪の雄峰を展望できて、変化あるルートの大きな山である。
幌加音更林道(国道口) 登り 35分(自転車) 下り (3時間30分)
望山橋先林道 50分 五ノ沢入渓 1時間05分 噴泉塔 2時間10分 頂上部付近
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国道沿いの幌加音更林道口
A 丸山噴泉塔
B 赤滝
C 丸山頂上部
D 丸山頂上部付近から最高点
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