ソエマツ岳   
               


 3日目 荒れた長い一夜も明けて、濃霧と風雨のソエマツ岳西肩(テント設営地点直下)南西尾根のエスケープルートは、当初は藪斜面を降りるより、落ちる感が強い急斜面を二人相互に転がり、笑う余裕はなしで、悲壮感の漂う情景である。
 地形把握ができない広斜面が続き、左手の岩稜直下を目印に辿りながら、雨で曇るGPSで確認するも、高樹木の影響に衛星捕捉がランダムであり、現在位置確認が難しい時間が続くと、坂口さんにアクシデント!!視力のある左眼を笹での直撃を2度程繰り返し、眼を何回が診るが、白い部分は全体的に赤く充血して眼球を確認するが不明!!(後刻知るが、眼球の表面が損傷し又診断後の帰宅では眼ヤニと一緒に4mm程の笹葉が出てきたとの事である)痛みが間断なく続くようで、片目のSaさんの前方に出て、ルートを懸命に探りながら下降を続けると、高度1350m付近からの尾根筋に鹿道を発見し、辿りつつ一安心すると、再び広い笹斜面が広がり、相互のGPSで位置確認するも、Saさんとはルート上のズレが正反対に出て、下降尾根はと地図を眺めるが正確な現在地点が掴めない。
 Saさんが私のGPSでと…西側へとルート修正しながら高度を下げると霧に尾根筋が霞み…良かったと再びの尾根筋の鹿道が続くと下
方沢筋から大きな濁音が左右から響き、沢への下降地点は二股であり、このルートで正解と思うも再びの迷歩もあったが、眼下に沢筋の流れの方向を確認するまで高度を下げる。
 513沢合流の谷筋景観を目標に方向を更に修正して急傾斜岩場を降下して、岩壁の切れ間から二股の513に立ち、これ
で第一段を終えたと安堵感が漂い、Saさんが沢水で眼を癒している姿に何もできない。
 沢の水量は比較的多いが谷筋は明るく広く、停滞の心配は薄いと404二股へと向かい、藪漕ぎから解放された爽快感の沢筋歩きには、高度500m〜450m付近には、函が3つ程出現して、高巻き・股下付近の渡渉を繰り返すと明るく広い河原の404二股に出てこれで下山できると確信する。
 Saさんを本日中に、眼科病院にて診断・治療はと時計を眺める小雨の河原歩きに、ひっそりとした時が流れると林道口の目印にと吊り下げた、鮮明な標示テープを河原に確認する。嬉しかった。
 「添松林道」ゲート鍵は、神威山荘のSaさんの車にあり、車両鍵を受領し、水でお腹を満たして、神威山荘へと雨の林道を向かう。
 沢を歩いた登山靴がゴボゴボと重たく、靴下でも絞ろうと思うも一刻も早くとノロノロ駆け足を15分程続けると工事中の人を発見!!
事情を説明すると気軽に神威山荘まで送って下さり、雨の中、人の情けに深々と頭を下げました。「浦河町の方で後日に御礼を送品しました」
 浦河町の病院でSaさんと別れた後、私は登山靴を履いたままだっと着替えると肘と背中に「ダニ」で、2匹のダニと名寄までのドライブは御免と静仁会静内病院(受付は1630から1700)で、皮膚科の女医さんにライム病ですねと摘出後2箇所とも縫合したようでした。
 肋骨はSaさんが言うに、時間経過を待つだけですを信じて、深夜の家路につきながら、過去経験した事のない苦しい山行であり、ピリカヌプリを踏めなかったが、同行させていただき、お互いにアクシデントもありましたが、特別にSaさんの行動を阻害する事なく、無事下山できた事に十分すぎる程に満足しています。
 又Saさんの縦走計画立案にあたり、沢山の方から情報をいただていると又登山中にはHYMLの皆様からSaさんへのメールを面白く教えてもらい、勇気のお裾分けにあずかり感謝いたします。

  手強かったソエマツ岳よ ありがとう
  遙かなるピリカヌプリよ 私は諦めない
  sakaguchiさん ありがとうございました。
  同行の機会を与えてくれた この山行は苦しき良き思い出となりましょう。

 
 同行者「一人歩きの北海道百名山」Sa氏の山行記録HPへ

1日目

神威山荘

6時間10分

神威岳

2日目

神威岳

3時間05分

1468P

4時間30分

ソエマツ西肩

1時間15分

ソエマツ岳

3日目

ソエマツ西肩

3時間40分

513二股

3時間30分

添松林道終点

注:時間は不正確ですので目安として下さい。

1361P方向から1468Pとソエマツ岳
ソエマツ岳頂上部
ソエマツ岳頂上

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