最果て知床の自然堪能
地の果て知床半島の最高峰、羅臼岳・硫黄山縦走へと羅臼町のオホーツク海岸の奇岩に夕日が落ちる頃、知床峠から羅臼岳の全容を眺めて登山口となる岩尾別温泉その名も「地の涯てホテル」の通いなれた露天風呂(無料)で汗を流し、車中泊…。
第1日目、岩尾別温泉の木下小屋「宿泊代2500円」宿泊者の登山準備を見ながら、小屋裏の登山道つづら折りを登り、尾根に出ると看板に「アリを餌に熊が出没・注意」とある。
鬱蒼とした森林地帯に涼しさが漂い、高度を上げると、沢音が聞こえ「最初の水場:弥吉水」で、名前の由来となっている「木下弥三吉」は、北大時代に知床連峰の山の魅力に触れて以来、網走に居住して羅臼岳登山道を開設し、知床の自然に生きた人で、昭和34年羅臼平に夫人が分骨を納めたケルンには「限りなく知床を愛し、惜しみなくこれを頒ち与えた木下弥三吉君」のレリーフがはめ込まれている。
水量が豊富であり、今年の夏は異常な暑さであり、水が何より有り難くと息をつき、ダケカンバのトンネルに入ると極楽平の平担地であり、木陰に涼しさを覚えると突然展望が開け「仙人坂」を越えれば、銀霊水でここから視界が開けて、沢筋の長い急斜面の岩場に汗が止めどもなく流れて、厳しい時間帯が続くと眼前に三ツ峰が高い。
大沢の岩稜帯に辛抱の登りを終えると三ツ峰と羅臼岳間の広々とした濃いハイマツ地帯のコル「羅臼平」に出ると羅臼岳がどっしりした山容を間近に姿を見せる。
風の通り道のこの付近一帯からは、知床慕情の雰囲気を漂わせる山並みと海の広がりが最果ての地と実感させ、羅臼岳へとハイマツの登山道に徐々に高度を上げると、背後に硫黄山そして人を容易に近づけない知床岳へと続く山並みと知床五湖・太平洋の広がりが北方領土をバックに素晴らしいの一言である。
頂上は近いが、斜度のきつさも増して足が動かない!!巨石を乗り越えると4度目の羅臼岳頂上で、全周パノラマ展望に腰を降ろし、北方領土の「国後・択捉島」が海面と空に遠望でき、ここは「知床」地の果ての山かと情緒豊かな気分浸る。
羅臼平まで戻り、分岐点から縦走路の最初のピーク三ツ峰を登り詰め振り返ると羅臼岳が山腹を広げ雄大であり、前方には未知の景観が広がり、静かな音のない世界に高山植物が群生し圧巻であり、百名山である羅臼岳を99%の登山者が目指すが反対方向の縦走路には人気はなくこのような素晴らしい景観があるとは驚きである。
三ツ峰の鞍部ピークから、眼下のテント場を見ながら高度を下げ、再び登りの辛い時間帯にサシルイ岳ピーク横を過ぎると下方に小さな池があり、テント場と思い雪渓で水を補給し高度を下げて、池周辺にテント場を探すが湿地帯で適地がなく、不思議と思い地図を確認すると眼前のオッカバケ岳を越えていないと再び登る。
オッカバケ山の頂きから見る硫黄岳は鋭鋒で迫力があり、南岳との鞍部の眼下に二ツ池(片方は水か渇枯)とテント場が点在して、水量の多い二ツ池畔にテントを先行者GPに並べると周辺に点在する熊対策の食料品格納金属箱は頑丈であり、絶好の陽気と静けさの景観に時間を忘れるが、陽が落ちると寒気が増してテントに入る。…つづく
@ 羅臼平から羅臼岳
A 羅臼岳から硫黄岳
B サシルイ岳から三ツ峰と羅臼岳
C オッカバケ岳から二ツ池と硫黄岳
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