その2



樹林帯の1132高地を過ぎて東側の断崖寄りにピークを2つ程越えると明確だった踏跡が突然消え、相互にルートを探す時間が続き、登頂・断念時間を計算し1530までに登頂できない場合はとsakag氏と思慮する難しい時間帯が続く。
 東側の断崖沿いにかすかな踏み跡を発見し、緩やかにコル部へと高度を下げると1243高地斜面の湿原地帯へと続く踏み跡に西へと方向を変えると比較的踏み跡が明確であるも背丈を超えるハイマツに時間が流れ、小さな沢で水を補給する。
 1243高地直下の小沼が点在する開豁した湿原地帯に出て標示テープに笹道に入るも消える…ルート探しに再び時間が消費し、共同で道筋を確認しながらのヤブ漕ぎに北側が絶壁の稜線連なりの最高点が知床岳で1243高地から始めて目標の山を眺めて感激するも、時間との戦いそして引き続く藪漕ぎが続き簡単には頂上を踏ませない様相に最後の頑張りである。
 密度の濃い藪漕ぎにsakag氏が大きな声を上げると稜線一部に3畳程の頂きに一等三角点標柱のみがある…ここが知床岳…頂上達成感が大きい。
 北はオホーツクの青い空と海・振り返ると太平洋側は雲海に北方領土の山、硫黄岳と山麓の緑、知床岳山腹の沼群で予想以上の晴天に何度も声が出て握手をする。
 ここまで難儀をしたが、下山も大変と記念撮影後テント場の知床沼へと再び藪漕ぎに突入し、1243高地から眼下に湿原を見ながら軽快に高度を下げるも他の標示テープに惑わされ湿原地帯に再びルート探し…広い台地に迷うのはと時間が流れ、別方向にしっかりとした踏み跡もあるが駄目!!再び踏み跡を共同で発見して水補給点を過ぎて東側の大崩壊稜線コル部から1132高地へと断崖沿いの踏み跡もない稜線を忠実に辿り、ハイマツトンネルを抜ける時間帯に1132高地から知床沼とテントを見ると時間との戦いも終わりと緩やかに下り、カメラを落とした地点の標示テープから程なくsakag氏が発見してくれて感謝である。
 何度か諦めかけた頂上を踏めた達成感の喜びに知床沼とテントが迎えてくれ、夕闇が迫るテント場で感慨深く沼と山峰を眺め会話と夕食である。
 
翌早朝、真夜中の一時的な雨で濡れたテントを収納しながら知床沼に影を映す山峰が絵になる中、天候に恵まれていると下山にかかり、笹とハイマツに靴の中は水一杯となり、台地・湿原・大崩地を抜け、樹林帯に高度を下げると持参の標示テープで標示済みであるも、特徴のない地形に再三ルート探しに時間を費やしながら、海岸線登山口へと急登を下ると鉛色の海にコンブ漁の小舟が浮かび明るい景観に安堵感が広がる。
 海岸線沿いの断崖と花・鳥等にゆったりとした時間に充実感を味わいながら、番屋が並ぶとsakag氏が昆布加工を説明してくれる時間が流れると相泊漁港に到着する。
 旧建物の知床観光ホテルで湯(400円)に浸り、中標津空港まで送り届けて帰路につきながら、突然に訪れた地の果て知床岳に迷いながらも苦戦の結果に登頂できた重みのある一山とsakag氏に感謝をする。
@ 大崩
A 知床沼
B 
知床沼
A 登山道沿い枯沼
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