凡忠別岳だい大斜面から展望山頂
2006.05.21/単独
旭岳ロープウェイ駅〜裾平〜凡忠別岳北西尾根〜凡忠別岳(往復)
凡忠別岳(ぼんちゅうべつだけ)は、大雪山主稜線の忠別岳北西に位置して、東西には白金温泉と白雲岳縦走路の登山道がある。
凡忠別岳の山容を過去に意識した事は無かったが、先週、小旭岳・後旭岳・熊ヶ岳を一巡した際、大斜面を見せる凡忠別岳の山容に惹かれた。
この山は、化雲沢川と忠別川の深く険しい沢筋に守られた要塞的な独立峰であり、無雪期の沢筋は困難性が高く、積雪期をと思慮していた。
ルート案は、白雲岳避難小屋に一泊又は勇駒別温泉からの2案が考えられ、前者は縦走路からの堅実な方法、後者は日帰りで可能であるも渡渉点が不明、されど小旭岳登頂時に後者ルートが妙味ありと選択する。
早朝、勇駒別温泉公営駐車場から入山する旭岳南方の広大なる湿原地帯は鬱蒼とした原生林であり、横走地形が複雑に入り組み小起伏が反復される。
過去、この湿原・原生林では、1989年に発見されたミステリ−「SOS遭難事件」、最近では昨秋、8日目に救助された自衛官の遭難を想い出させる。
原生林帯には幾筋の沢筋が現れるが、二見川以外は渡渉点を探す事もなくスキー装着状態で順調に歩く事ができ、旭平・裾平の尾根筋に地形間隔を保つ。
忠別川右岸に近づくと凡忠別岳と類似した山容の小化雲岳が遠望され、迫力ある断崖(函)を縫うように流れる忠別川の轟音が響く。
1354付近で凡忠別岳を確認、小起伏に疲労した頃、懐かしい小旭岳を眺めるとユウセツ沢川と忠別川二股方向へと高度を下げる。
C1280渡渉点は、函に流れる忠別川への出合いであり、扇状に広がる緩やかな地形に幾筋の枝沢が複雑に入り組み、一度高みに引き返し川筋を確認するが最低2度の渡渉が必要である。
忠別川支流の最初の渡渉は、岩を伝い何とか越えるが、2度目の忠別川渡渉点を探すも水流は比較的速く、浅瀬が続く箇所は見当たらない。
川幅は8m程であるが、長靴にゴミ袋をガムテープで固定、背中のスキーと登山靴に振られながら渡渉開始!!
川半ばの深みで靴に冷水進入…足が凍り痛い…岩の上に這い上がるが感覚がない…一刻も早くと渡り切り、川雪面に感覚がない足で這い上がり、慌てて雪の上に立つと感覚が戻る。
…雪の上の裸足の方が温かく、帰路は少し工夫しないと大変と長靴を木々にぶら下げ、北西尾根への東西に続く急斜面の大きな景観を見上げる。
アイゼンを装着して再びスキーを背負い、高度差120mの急登を上がると開放感のある広大なる台地雪原、山頂部が遠望され、振り返ると旭岳・白雲岳等の展望が得られる。
山頂までの標高差400m強、何の特徴もない緩斜面の台地尾根に瞑想時間が続き、一直線に山頂を目指すと新しい熊の親子の足跡が高根ヶ原方向へと延びる。
山頂部北斜面はハイマツが露出、岩場の東峰Pを南側に捲くとセッピが続き山頂は間近である。
西側のこんもりとした山頂部は、とても居心地が良く、枯れた低ハイマツと柔らかい植生に春爛漫の陽射しが眩しい。
頂きは展望抜群であり、大雪山の山々が一望され、特に忠別岳の断崖が迫力あると過去の山行を想い返す。
下山、旭岳を正面に楽しみにした滑降は、中斜面は最初だけであり、中半以降は緩斜面が続き残念でしたが、忠別川渡渉点への急斜面は楽しめました。
このルートの考慮事項は、錯雑した横走地形に地図判読が難しく又渡渉容易な時期の選定が必要と思えました。
勇駒別温泉公営駐車場 登り
5時間05分2時間05分 下り
3時間20分忠別川C1280渡渉点 3時間 凡忠別岳山頂 1 後旭岳から凡忠別岳
2 東峰から山頂部
3 東峰から忠別岳
4 山頂から旭岳
5 山頂から小化雲岳/化雲岳/トムラウシ山
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