1630m 無名峰の滝・展望
2006.08.06/単独
ニセイパオマナイ沢〜北尾根〜山頂〜一の沢
1630m峰は、日高主稜線から外れ、北日高主稜線の雄峰である幌尻岳の西北に位置する1600m級の山である。
この山は、無名峰であるが二岐岳と北戸蔦別岳を繋ぐ稜線上に存在感のある標高を誇り、先般、近傍のヌカンライ岳登頂時に端正なる大きな山容に惹かれる。
登山口へと幌尻山荘経由の幌尻岳額平コースの出発点である駐車場で車中泊、沢山の車両が広場を埋め、平素は人と出会う事がない山行続きで登山本番の活気を感じる。
翌早朝、幌尻岳山荘の宿泊予約以外の日帰り登山者の早立ちに目覚めて御挨拶、私のルートは、幌尻岳へと向かう林道から外れて、ニセイパオマナイ沢を経て山頂、次いで尾根筋を下降して一の沢に下降と計画する。
額平川沿い林道の幌振橋から河原景観のニセイパオマナイ沢に入渓、二つの砂防堤を越え、早朝の静けさに緩やかに高度を上げると幌振橋手前に林道を見ていたが、その林道は右岸に平行に延びていて感謝と林道歩きに変わる。
710二股から程ない林道終点に「奥新冠発電所/取水設備」が設置され、本格的な入渓となる。
C900から滝が出現、予想以上の大きさであり、特に二股の滝は見事であるが、連続する小滝に高巻く場面が続き予想以上に時間を消費する。
ニセイパオマナイ沢ルートでの結節点となったC1080二股、地図標定を繰り返したが沢筋景観に惑わされて左股に入った結果、大きく迂回となる。
C900からC1200まで間断なく続いた滝地形等から平凡なる沢筋に変わり、枯沢地点のC1250から直登沢への方向修正に移り、薄い藪の急勾配斜面に喘ぎ尾根に上がる。
薄藪に鹿道が散見され快適気分に北尾根に上がると突然の展望…戸蔦別岳・ピパイロ岳そして幌尻岳が連なり、思わず声が出る。
山頂まで迂回となった北尾根は灌木・ハイマツが密集して大きく時間が流れ、遠望の北日高主稜線の登山道歩きは今頃は暑くて大変だろうと…こちらも同様で更に藪漕ぎも加わり辛抱の時間帯が続く。
幾つかの起伏に緩やかに高度を上げると待望の山頂到着…全週展望の頂きからは北日高主稜線が又幌尻岳カール越しに山容を間近に望める。
下山は、「一の沢」へと一旦北尾根を引き返し沢筋に下降するが、C990の15m程の滝が降りられない。
支点が確保できず、右岸の急勾配斜面を高巻くとするが、右岸の200m程の断崖の上に出なければと岩稜尾根に取り付くが、急峻連続で暑さと緊張に体力を消耗…こんなに辛い時間帯が続く事も久しい。
何とか断崖上から尾根に上がると限界状態…素直にこれで下山できると実感、懸垂下降を強いられながら再び広い額平川に出ると厳しかった一山を終える。
ニセイパオマナイ沢入渓 3時間45分 C1470北尾根 55分 山 頂 下り/4時間30分