ヌカンライ岳 奥深きかな山頂
2006.06.25/単独
三の沢〜北尾根〜山頂(往復)
ヌカンライ岳は、日高山地主稜線から西方への支稜線に位置して、日高の雄峰「幌尻岳」を谷間越しに眺められる1500m級の山であり、日高にて静かなる部類の一山である。
ルートは、通常、南方の新冠湖方面から登られるようであるが、Web検索しても僅かに「日高辿路」著者である神原照子さんの記録程度であるがアプローチが遠大である。
地図を眺めると、北側の幌尻岳への通行止め林道から沢筋次いで尾根を繋げば十分勝算ありと計画、今回、憧れの頂きを踏んだ記録である。
前日、寿都似山下山後、宿泊地の新第1ゲート(額平川支流のアッリオシヒナイ沢付近)駐車広場から以前より設置されている第2ゲート(旧)を抜けると幌尻山荘への入渓点(林道終点)600m手前に三の沢がある。
722から入渓する幅広の三の沢は、水流が豊かであり、岩を伝う場面が多く気が抜けない沢である。
C840二股を右股に高度をあげるとC910から連続した滝が続き、右・左岸に高捲くとC1000の二股出合いであり、ルートポイントとなる。
左股(下山時に辿る)が本沢であり、5m滝奥に30m滝が迫力あり、狭小に水流薄い勾配の強い右股に入るとC1080にて枯沢となる。
沢形から扇状斜面が広がり、引き続き斜度が強く、薄い藪斜面を一気に高度を上げると尾根に出る。
当初予定した沢筋から外れた尾根筋は北尾根に繋がり、迂回ルートになったが、時間を費やせば確実に頂上に至れると暑い陽射下、中密度の藪漕ぎに黙々と明確な尾根を辿る。
鹿道も時折に発達して効果的に高度を上げるとC1430北尾根に合流、北尾根は灌木も混じえやや濃密となる。
C1480の岩コブを越えると境界点1515に到着、程なく丸みある広尾根に笹原が一帯に広がり山頂は間近い。
腰丈以下の笹藪を快適に歩くが足元には熊の糞が続き、何となく落ち着かない雰囲気に「小池」を過ぎると雪渓脇の2つの岩峰を頂きと勘違い、岩峰越しのピークが山頂部である。
山頂は、明るい笹原の広い台地であり、刈り払われた3等三角点(点名/奴寒来)傍に何らかの観測に使用済みの器材と大量の板材が散乱している。
神原女史が10年程前に登頂した際には、小屋が山頂にあり驚いたと「日高遍路」に記載され、月日の流れを残骸に実感する。
この北側ルートは、迂回となったが予想外に短時間で至れ、一応成功とする。
待望の高所からは幌尻岳の西斜面を刻む雪渓が映え、戸蔦別岳等の連峰も望まれる。
下山ルートは、当初計画した沢筋を辿ろうと薄藪の急斜度に何度も滑りながら下降、沢筋の雪渓に快適に高度を下げると轟音が響く。
C960に30m滝が三段となり出現、懸垂下降で降り立つと飛霧に見事な迫力であり、この下の滝を高巻くとルートポイントとなった二股である。
左股の方が短時間に山頂に至れるが、小さい沢筋に分岐点が連続、地図読みは難しいと思える。
難所を抜けたと溜息、油断ができない岩歩きが続くと林道に到着、無事下山と初夏の陽射しに顔洗うと幌尻岳からの○○○ツァーガイドの皆さんと出逢い、山中で人と出会うのは稀である。
帰路、翌日予定の「苦茶古留志山」ルート偵察をと第2ゲート(旧ゲート)から地形を大観後、第1ゲート(新)駐車広場にて無事到着する。
○○○ツァーガイドの女性一人から「貴方をHPで見た事があり…アー山の時計さんですか、人の行かない山ばかり…と半分あきれ顔」HP訪問に感謝をする。
今回、設定したルートは、新設された第1ゲートから7Km程歩く事になるが沢筋の滝は高巻く事ができ、尾根筋の藪も比較的薄く、山頂展望にも優れている。
備考:下山ルート(沢狭小)
「C1340二股/右股」
「C1315二股/右股」
「C1135二股/左股」
722三の沢 登り
4時間20分1時間10分 下り
3時間20分
C1000二股 2時間50分 1515境界 20分 山 頂
1 C1000までの滝
2 山頂部
3 山頂から幌尻岳
4 C960滝
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