天狗山 道内有数の奥峰
2007.08.13/単独
「せいわ橋」(地図上では映光橋)コイボクシュシビチャリ川〜北東沢〜北西尾根〜山頂(往復)234)
西川岳は、中部日高山脈の主稜線から西側に位置して、名峰「カムイエクウチカウシ山」と「コイカクシュサツナイ岳」の中間である1828Pから南西に派生する尾根の一端にある1300m級の山である。
登山口までのアプローチは、前日に登頂した隣接する「シカシナイ山」山行記録を参照していただきたい。
早朝、前日の厳しかった山行に体力が回復するか心配であったが、本日の西川岳は標高差800mであり、暑くなりそうな天候に重たい体を起こす。
ルートは、コイボクシュシビチャリ川を辿り、北斜面の沢筋に高度を上げて東尾根に上がって山頂を踏もうと計画する。
C545「せいわ橋」(地図上では映光橋)に到着すると何と中年男性が2人!!…私は登山道を歩く事は稀であって、こんな山奥で人と出会うとは2重の驚きである。
静岡県から来道して「ミニバイク」で更に奥側の春別川まで入り「魚釣り」との事で、何とも贅沢な夏休みである。
朝食を食べながら、私も静岡県に過去の勤務で住んだ経験の会話中、何と隣接する「S町」在住と聞き、お互いに再び驚きつつ、オミヤゲ話しと記念写真に納まる…きっとこのHPを見てくれていると思える…可愛いバイクに跨り、お元気で魚釣りをして下さい。
コイボクシュシビチャリ川に降り立ち、程なく昨日は大変苦労した「イワナノ沢」への二股を過ぎて川原景観の沢筋を辿る。
水量・水流も活気があるが透明水であり、へつりの深い淵を泳ぎながら暑い陽射しの中、楽しみながら遡行すると本流に流れ込むC599滝が見える。
C599からの沢筋は、北斜面で最も険しい地形であり、選定したのが失敗と程なく判明する。
沢口の小滝を左岸に捲き、直ぐに4m滝を直登するとC635で3段ゴルジュが出現…とても私の技量では辿れないと大高捲きルートを眺める。
水を満タンにして左岸の急斜面に取り付くと比較的軽快に高度を上げる事ができ、再び沢筋にと地図を眺めるが、C795二股が険峻地形であり、薄い藪を漕いで十分に高度を上げたので尾根を辿る事に変更する。
C885で北西尾根に上がると薄い藪に鹿道が終始続き、昨日の悪戦苦闘のねぎらいなのか「ありがたい」と陽射しを遮る樹林帯に順調に高度を上げる。
明瞭な尾根が続き、山頂直下のコル部手前からハイマツ・灌木が多少煩くなるが、引き続き鹿道を探すと短く細い尾根の一端が山頂である。
低灌木の頂きは、西側に一部展望を制限されるが、日高中部の雄峰が一望され、汗をかいた苦労が報われ、特に「なぜか無性に涙が溢れた1839峰」を間近に眺める。
下山は、北側斜面を下ればコイボクシュシビチャリ川に出ると勝手気儘に西側寄りの尾根筋を2本歩いたが何れも比較的藪は深く、登りに辿った軽快な尾根筋の様相ではなかった。
C590で本流に降り立ったが、この沢筋は250m程高度を上げると沢景観は消えるのでお勧めとは言えない。
強い陽射しにリュックを背負い泳ぐ事を繰り返しつつ、プール教室通いを想い出しつつ、無事下山できた事に感謝…テント場にと向かう。
備考:今朝、テントから眼を覚ますと「ダニ」が右腕に噛みつき、3週間前も北部日高の山行時に「左腕」をやられている。
私の体質は異常に腫れる様であり、昨年そして前回、一週間も抗生物質の点滴で病院通いを強いられた経緯もあり、もう一山予定であったが、明日は病院へと計画を変更、三石ダムゲートに向かい下山する…日高の山よ、貴方は大きく、辛かった想い出をありがとう。
「独り言」私なりに日高山脈に対する目標があって、2年前に「ガイドブックにない北海道の山々」著者である八谷氏と同行して日高最奥部「中ノ峰」「大山」の2山を踏めた事ができた。
同年秋に「ペッピリガイ山」「ピリガイ山」「ウチイチ山」を単独山行、この周辺の山域で残るは4山であったが、今回、単独で「シカシナイ山」次いで「西川岳」の2山を踏む事ができたので紹介する。
せいわ橋(地図上では映光橋)−3時間40分−山頂−2時間40分−せいわ橋 1 シカシナイ山からの山容
2 静岡県の人/私(右)
3 静岡県の2人
4 C6353段ゴルジュ
5 山頂から1839峰
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