冒険日記 2008

真谷地小学校の記念碑を求めて





向かう路は右下に降りていく。



空中写真で見ると、丸印の場所である。

…よく見ると、森の中にポッカリと開いた空間がある。
周りを見ても校舎らしき建物は無い。

車のエンジンを切った途端、
人工的な音が皆無となり、一瞬として静寂の世界に包まれた。

じっくり耳を澄ますと、どこからか川が流れる音が聞こえてきた。

これから先は、森の中。

場所と距離が定かではない小学校跡への路のりには
当然、人間の肩ほどある笹と雑草が生い茂り
途中には川も渡らなければならないのであろう。

だが、

「どこにあるかも知らないが、進むしかないんだ」

「可能な限り人間が手を加えた痕跡をたどっていこう」

「この森の先に小学校があったんだ…
当時の子供たちが通ったであろう同じ道を進むだけなんだ」

熱い想いが原動力となっている。

装備をしっかりと整え、ゲートをゆっくりと越えた。
とりあえず、熊対策ということで
車にたまたまあったキャンピング用の2mほどの鉄棒を持ってくことにした。

* * * * * * *

下っていく路はアスファルトの道路ではなく、まるで草木の繁った崖のよう。

ただし、微かではあるが確かに昔は道だったのではないかとも思わせる。

その下り坂は、大きく右にカーブしていた。

ときどき顔にぶつかる草木を、鉄棒で払いのけながら進んでいくと、
山と切り立った崖に囲まれた路の先に、小川が流れているのが見えた。



よく見ると…コンクリートの橋げたのようなものがある。

これが、小学校へ続いていた路の橋の跡なのだろうか……
だとすれば、橋は既に崩壊し無残な姿となっている。



つづく