放送No.1(制作No.5)
姿なき挑戦者

台本名=「姿なき挑戦者」
脚本=金城 哲夫/監督=円谷 一
放映日:1967年10月1日
宇宙狩人(ハンター) クール星人
(身長/2m 体重/75kg 出身地/クール星)

カプセル怪獣 ウインダム
(身長/ミクロ〜40m 体重/0〜23,000トン 出身地/メタル星)

モロボシ・ダンがウルトラセブンに変身できないとき、常に携帯するカプセルに収納させているミクロ怪獣を活躍させる。
そして、カプセル怪獣はダンの身代わりとして人類の味方となって侵略者と戦ってくれる。
それは同時にダンが変身までの時間をかせぐ意味合いもあり、彼らの持つ超能力がいかに期待されているかを物語る。
その一番手に抜擢されたのがウインダムである。
いわば全身をメカニック化したような外見のロボット型怪獣で、ローマ兵士のかぶとを思わせる頭部にあるランプから光線を発射する。
光線を発する頭頂の明滅部分は電子頭脳と直結しており、唯一の弱点でもある。

STORY
地球防衛軍は、連続人間消失事件調査をウルトラ警備隊に命じる。
そして、調査に乗り出したウルトラ警備隊に"モロボシ・ダン"と名乗る風来坊が接触、

青年は事件がクール星人による地球侵略用の人間標本採取活動と警備隊員に知らせる。
一方、地球防衛軍の全面降伏を要求する侵略者は、見えない宇宙船で京浜化学工業地帯を全滅させて東京攻撃に向かうが、ダン青年の進言で完成した特殊噴霧装置で宇宙船を暴露される。
ダンは円盤の反撃にカプセル怪獣ウインダムで応戦、自身もウルトラセブンに変身して円盤のクール星人を切断、拉致された人々を解放する。
こうして功績を認められたダンは、ウルトラ警備隊員となる。

My Opinion
やはり重要な第1話なので、入門者は必ず視ないとハナシにならない。
ただ、撮影自体は5番目だとのこと。
当時のドラマシリーズでは、第1話は出演者たちがある程度慣れてから撮るということがけっこう行われていたらしい。

カプセル怪獣とは、ダンがウルトラセブンになれないときの時間稼ぎのために出すという設定だが、このエピソードではウインダムをクール星人に向かわせた意図がいまひとつ不明。
実際ウインダムがやられそうになるまでダンは岩陰から見ているだけだし、やられたらすぐに引っ込めてウルトラセブン登場!という展開である。
しかも変身道具の「ウルトラ・アイ」はどこからともなく飛んできて着眼するという荒唐無稽な描写。

まあ「空想特撮シリーズ」なんだから細かいことは云いっこなし。
ストーリーそのものをもっと吟味しようではないか。


放送No.2(制作No.2)
緑の恐怖

台本名=「緑の恐怖」
脚本=金城 哲夫/監督=野長瀬 三摩地
放映日:1967年10月8日
生物X ワイアール星人
(身長/1.8〜50m 体重/0.8〜13,000トン 出身地/ワイアール星)

STORY
地球防衛軍の石黒達男隊員が宇宙ステーションV3から帰還した。
モロボシ・ダンは石黒をポインタで自宅に送ったおり、石黒宅の庭に謎の金属塊があることに気付く。
そしてそれが、ワイアール星から産出される宇宙金属"チルソナイト808"であると見破る。

実はこの石黒隊員の正体は、その姿を小型の電子頭脳を使ってコピーしていた侵略者で、本物の石黒は先の金属塊に閉じこめられていた。

侵略者ワイアール星人は、夜ごと本来の姿に戻って人々を半植物の怪物にしていた。
そして怪物化した被害者が今度は加害者になっていくのだった...。

しかしウルトラ警備隊はこの計画を暴く。

一方、箱根で巨大化したワイアール星人もウルトラセブンに退治され、被害者は無事元の人間へと戻った。

My Opinion
ドラマのところどころ、特に出演者の使うことばづかいに時代を感じさせるエピソード。
ワイアール星人は小田急のロマンスカーのなかに出現して暴れ出す。
こんなことがホントにあったら、地下鉄の脱線事故なんかよりビッグニュースになりそうだ。

実は第一話では「ウルトラセブン」という呼称が劇中でまったく使われていない。
もともとの設定では「ウルトラ警備隊七番目の隊員」という意味合いで「ウルトラセブン」となる構想だったらしいが、脚本の推敲段階でそこに触れる描写はカットされたらしい。
そしてこの回の終盤でワイアール星人と戦うウルトラセブンに対して、アンヌが唐突に「ウルトラセブン、がんばって!」と叫ぶのだ。
なんでもありの高度経済成長期の作品だから、こういう乱暴なのでも充分許されたのだろうが、いま同じようなのを見せられたら、きっと視聴者は困惑するに違いない。
平成になって放映されたウルトラシリーズでは、第一話の段階でその世界の背景がきちんと描写されているので、こういう不自然さを感じさせることはない。
やはりそれも「時代」というものなのだろう。

こういういろいろな細かな矛盾やおかしなところを探しすのも、昭和40年代の作品を視るときのひとつの楽しみであろう。


放送No.3(制作No.1)
湖のひみつ

台本名=「美しき侵略者」
脚本=金城 哲夫/監督=野長瀬 三摩地
放映日:1967年10月15日
変身怪人 ピット星人
(身長/1.55〜2m 体重/60kg 出身地/ピット星)

宇宙怪獣 エレキング
(身長/0.3〜85m 体重/50g〜20,000トン 出身地/ピット星)

カプセル怪獣ミクラス
(身長/ミクロ〜40m 体重/0〜20,000トン 出身地/バッファロー星)

メカニックなウインダムに対し、怪力無双の怪獣がミクラスである。
ウインダムと同様に知能と狂暴星は低く、怒りっぽい単純な性質の宇宙怪獣といえる。
ただし、ウルトラセブンへの献身度は実に高く、高度の超能力を具有する侵略怪獣に対して戦況のいかんを問わずに突進する。
こうした正義のカプセル怪獣には番組当初の企画案で「ウルトラマン」の地球怪獣(レッドキング、アントラー、ペギラなど)を再登場させるアイディアもあった。

STORY
木曽谷付近に落下した円盤調査に向かったフルハシとダンの両隊員は、不時着した宇宙船内で不審な少女の罠に墜ちて意識を失い、ダンはウルトラ・アイを盗まれる。
一方、少女に変身した侵略者は二手に分かれ、地球防衛軍の作戦室破壊と、木曽谷のあずま湖で成長させた宇宙怪獣エレキングによる攻撃を始める。
ダンはカプセル怪獣ミクラスを出撃させるが、エレキングの優勢は変わらず、ウルトラホーク1号の乗員を襲う。
ようやく意識を取り戻したダンは、宇宙船の少女からウルトラ・アイを取り戻してウルトラセブンに変身、エレキングを倒す。
敗色濃厚と見たピット星人は宇宙船で逃げようとするが、ウルトラセブンは宇宙まで追い、撃墜する。

My Opinion
ひさびさにココを書いているので、他のエピソードのものと温度差があるだろう。
とにかく「ウルトラセブン」というと、まずこの「湖の秘密」の画像や映像が使われがちである。
たしかにエレキングはウルトラシリーズの中でも有名な怪獣だし、とかく茶色にウロコ地の外観なのが怪獣の常であるのに対し、白地に黒い牛のような模様なのがインパクトがあるのだろう。
私としてはそんなに否定的には考えていないが、特別によくできたエピソードとも思っておらず「まあ普通」と思っている。
STORY中に出てくる「不審な少女」は、ホントに少女で、ハナシを知らなければまさか宇宙人だとは思えない。
その正体が不気味な頭部の造形を持つピット星人であるというギャップが、ある意味ショッキングかもしれない。
ピット星人の画像は「ウルトラ怪獣名鑑」のものであるが、女性の丸みを帯びた肢体(特に胸部の乳房の造形や、股間のオーバルなフォルム)をよく表現してあり、これには拍手を送りたい。
劇中に出てくる実際の着ぐるみでここまではっきり表現してあっただろうか...と少々疑問も残るくらいである。


放送No.4(制作No.4)
マックス号応答せよ

台本名=「豪華船蒸発(初稿)」
脚本=山田 正弘・金城 哲夫/監督=満田 禾斉
放映日:1967年10月22日
反重力宇宙人 ゴドラ星人
(身長/2〜52m 体重/0.12〜45,000トン 出身地/ゴドラ星)

集団で地球侵略計画を遂行し、マックス号を重力場で包んで大気圏外へ蒸発させる。

STORY
太平洋上で多発する謎の船舶遭難調査に極秘出動した地球防衛軍の原子力船マックス号が、赤い霧に包まれて大気圏外へ運び出された。
これは地球制服を狙うゴドラ星人が地球防衛軍極東基地爆破のため、軍の注意を船舶消失海域に集中させる策略だった。

変身術を得意とするゴドラ星人は、道でクルマが故障して困っている女性に身を変え、それを助けようとしたダンを襲いウルトラ・アイを奪う。
そして防衛軍基地へ潜入し、第2動力室への時限爆弾設置にも成功する。

しかし、ゴドラ星人が放った捕獲カプセルの罠から脱出したダンは、ウルトラセブンになってその計画を阻止する。

これで防衛軍基地とともに滅びる使命を与えられたゴドラ星人の工作員は撃退され、 残りのゴドラ星人に占領されていたマックス号で人質となっていた タケナカ参謀らもウルトラセブンに救出された。

My Opinion
ウルトラセブンとウルトラ警備隊の面々とが日本語で会話するという貴重な場面が収録されたエピソード。
ウルトラセブンの声はダンの声にエコーがかかっただけなので、誰が聞いても似ていると思いそうなものなのだが、そういう描写は一切なし。

最後は動きのとれなくなったマックス号からタケナカ参謀・フルハシ・ソガの3人がウルトラセブンにヒモで引っ張られて宇宙空間を遊泳するという、視聴者サーヴィスもあり。
あのときキリヤマ隊長たちがウルトラホークで迎えに来たからよかったが、そうじゃなかったら生身で大気圏突入するつもりだったのだろうか...?


放送5(制作6)
消された時間

台本名=「消された時間」
脚本=菅野 昭彦/監督=円谷 一
放映日:1967年10月29日
宇宙蝦人間 ヴィラ星人
(身長/1.8〜40m 体重/0.1〜10,000トン 出身地/ヴィラ星)

二子山麓にある地球防衛軍の迎賓施設の日本庭園が戦場となる。

STORY
地球の頭脳と呼ばれるユシマ博士は、新発明の"ユシマ・ダイオード"で極東基地の遠距離レーダー機能を4倍にするため、南極の地球防衛軍科学センターを発つ。
しかし、時間停止光線を使うヴィラ星人によって侵略者の心を植え付けられ、防衛の要となるレーダー心臓部の破壊を行う。
狡猾なヴィラ星人は、博士に画策させて侵略の妨げになるダン隊員を封じる間、宇宙船団で一気に地球突入を謀って総攻撃を開始するが、ウルトラ警備隊の迎撃に全滅してしまう。

そして巨大なヴィラ星人がコスモス・ホテル庭園に墜落した司令船から姿を現し、ウルトラセブンのアイ・スラッガで切断される。
やがて正気づいたユシマ博士によって、ダンの汚名も晴らされるのだった。

My Opinion
「ダンの汚名」と云われても何のことやら...?という感じではないだろうか。
ヴィラ星人に操られた博士はダンに、ダイオードと偽った爆弾をレーダに取りつけさせ、爆発によってレーダーが使用不能になってしまう。
それを「キミが(爆弾に)すり替えたのだろう」と博士はダンにいいがかりをつける。

何となく全体に不信感が流れるなか、博士を怪しむダンは物陰に潜んでヴィラ星人と連絡をとっている博士を透視する。

そしてそこから出てきた博士に掴みかかったところを他の隊員に制されるが、なおも博士にウルトラガンを向けてしまう。
これにつけ込み、博士は他の警備隊員の前で「ダンは宇宙人だ」と云う。

そしてキリヤマ隊長の判断でダンは独房に監禁されてしまう。
ヴィラ星人の侵略が進むなか、ダンは獄中でウルトラセブンになり、鉄格子をブッ壊して脱出してしまうのである。

その後、ダンがそのことをどう云い訳したのかが、ウルトラセブンフリークの間における議論のひとつである(笑)


6話〜第10
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