放送No.6(制作No.3)
ダーク・ゾーン

台本名=「宇宙空間都市」
脚本=若槻 文三/監督=満田 禾斉
放映日:1967年11月5日
放浪宇宙人 ペガッサ星人
(身長/2m 体重/120kg 出身地/ペガッサ市)

画像はバンダイ「ガシャポンHG」のもの

STORY
アンヌ隊員の私室に黒い影で身を隠した宇宙人が現れた。
そのころ、高度な科学文明の宇宙琉民・ペガッサ星人が築く“宇宙都市ペガッサ市”に動力系統の故障が生じ、地球に80時間の軌道変更要請を発信しているのを地球防衛軍は知る。
(ペガッサ市の物質密度は地球の約8万倍のため、衝突すれば地球が砕けてしまう。)
現在の地球の科学力では、その要請に対応不可能な地球防衛軍は、先守防衛からやむを得ずペガッサ市の破壊を決断。
退避勧告に応えない市民の住むペガッサ市を、北極基地から発進した宇宙爆撃艇の新爆弾で破壊する。


一方、黒い影に住むペガッサ星人は正体を現し、その事実を知らないまま、都市を救うために任務の地球破壊を遂行しようとする。
しかしウルトラセブンに阻止され、夜の闇のなかへと去る...。

My Opinion
地球が軌道変更できないことを知ったペガッサ星人の非常に衝撃的なセリフで「地球人は勝手に動いているものの上に乗っているだけなのか?!」というのがある。
これだけインターネットやらデジタルだとハイテクが進化しても、その事実だけは古代の昔のまま...
しょせんは宇宙の摂理のなかで生きているしかないのかと思わされるエピソードだ。


放送No.7(制作No.8)
宇宙囚人303

台本名=「宇宙囚人303」
脚本=金城 哲夫/監督=鈴木 俊継
放映日:1967年11月12日
火炎怪人 キュラソ星人
(身長/2.5〜43m 体重/250kg〜10,000t 出身地/コスモポリタス第8惑星キュラソ)

STORY
キュラソ星から凶悪な殺人鬼である囚人303号が小型宇宙船に乗って逃亡。
地球に漂着して通り魔殺人を犯す。
さらに星人はエネルギー源であるガソリンを求めてさまよう。

ウルトラ警備隊はキュラソ連邦警察より囚人の死刑依頼を受信して星人を追跡し、逃げられぬように宇宙船を爆破する。
しかしなおも逃亡する星人は、三ツ矢峠から大田区池上の民家に潜伏。
アンヌを虜にして操り、ウルトラホーク1号のβ号を奪って空へ逃げるが、ウルトラ警備隊はα号とγ号を使って空中ドッキングを強行し、ダンはβ号に潜入。
ダンはアンヌを救出してα号へ乗せ換え、ダンが残り、星人ともみあうβ号は墜落する。
ダンはウルトラセブンになり脱出するが、星人は体内のガソリンに墜落時の炎が引火し、自爆を遂げた。
そしてこれを機会にキュラソ星と地球との友好関係が結ばれることになったのだった。

My Opinion
私自身、このエピソードはあんまり印象にも残っていないし、ウルトラセブンもβ号から脱出するために一瞬しか出てこない。
当時の視聴者に相当の落胆を与えたことは想像に難くない。


放送No.8(制作No.10)
狙われた街

台本名=「狙われた街」
脚本=金城 哲夫/監督=実相寺昭雄
放映日:1967年11月19日
幻覚宇宙人 メトロン星人
(身長/2〜50m 体重/120kg〜18,000トン 出身地/メトロン星)

STORY
異常な暴力事件や殺人が続発。
犯人はすべて北川町の住人だった。
調査を開始したウルトラ警備隊は、犯人が全員駅前の自動販売機でタバコを購入していた事実を掴む。
科学班のカネダ隊員は、かつて宇宙ステーションV3の隊員がワイ星探検から持ち帰ったことのある“宇宙芥子(ケシ)の実”によく似ている赤い結晶体がタバコに混入されており、それを吸った人間は理性や感情を失い、敵を倒す殺意のみを持ったもった人間に変貌するという分析結果を下す。
これは、人間同士の信頼感をなくし、お互いを戦わせ人類を自滅させようと企むメトロン星人の地球侵略作の実験だった。
メトロン星人はこの計画を妨害しようとするモロボシ・ダンだけを恐れ、北川町のアパートに隠していた宇宙船でダンを強制的に宇宙へ帰還させようとする。
ダンは素早くウルトラセブンに変身、彼らの野望を打ち砕いた。


My Opinion
ウルトラセブンの中でも屈指の仕上がりとなっているエピソード。
実相寺監督の独特なカメラワークと、全体に流れる夕陽のオレンジがある種の恐怖感を非常によく醸し出している。
ダンがメトロン星人の隠れるアパート(かなりボロイ)に潜入して星人が計画をダンに話すとき、宇宙人どうしがちゃぶ台をはさんで会談するという、非常に有名な一シーンがある。
撮影当時「なぜ宇宙人どうしがあんな生活臭の漂うシチュエーションで話し合うんだ!?」と実相寺監督はTBSのプロデューサからこっぴどく叱られたというエピソードもあるそうだが、これが功を奏して名シーンに数えられるようになっているから、世の中はわからないものである。

放送No.9(制作No.11)
アンドロイド0指令

台本名=「アンドロイド0指令」
脚本=上原 正三/監督=満田 禾斉
放映日:1967年11月26日
頭脳星人 チブル星人
(身長/2m 体重/0.5トン 出身地/チブル星)

STORY
夜間パトロール中のフルハシ隊員が、ダン隊員に握手を求めてきた妖しい美女に対してダンの名を偽ったあまり、握手で放たれた電流で殺されかけた。
翌日、ダンとソガはパトロール中"おもちゃじいさん"と呼ばれる老人から買ったという、実に精巧な玩具で遊んでいる子供たちと出会った。
その日も老人は公園で子供たちを相手に商売をしていたが、ウルトラ警備隊の二人を見るやさっさと店じまいをして隠れ家へ戻ってしまう。
ダンとソガは老人を尾行して場所を突きとめ、近所の主婦の証言から老人が一年ほど前からそこに住んでいることを知る。
この様子を陰から見ていた老人はウルトラ警備隊に怪しまれたと察知したため"アンドロイド0指令"を、その夜午前0時に実行することを決定する。
この指令は、玩具に見せかけた本物の銃器を催眠周波を受信できるワッペンを添えて子供たちに売り、ワッペンをつけた子供たちに地球を攻撃させて侵略しようと企むものであった。

その夜、ダンとソガは例の美女をふたたび発見し、後を追う。
実はその美女は老人の作った精巧なアンドロイドで、二人の追跡を楽々とかわしてデパートへ逃げ込む。
深夜のデパートでは午前0時に"アンドロイド0指令"が発令される旨の不気味なアナウンスが流れる。
そこに例の老人と美女が現れ、老人はくだんの計画をダンとソガに話すが、二人は信じない。
老人はデパート中にある玩具の戦車や戦闘機をつかって二人に攻撃を開始した。
ソガは防衛軍本部にビデオシーバで連絡をとろうとするが、電波を妨害されて失敗し、二人は追い詰められる。
ダンはウルトラセブンになりたいが、ソガがいっしょにいるのでそれもままならない。
迫る老人と美女に対し、ソガは素手で立ち向かおうとするが、ダンは脇腹に鉄拳を喰らわしてソガを気絶させる。
そのスキにダンはウルトラセブンになり、立場は逆転、老人と美女は逃げ出す。

ウルトラセブンは老人と美女をデパートの屋上へ追い詰め、エメリウム光線で美女を粉砕する。
孤立無援となった老人は、頭脳ばかりが発達して攻撃力のないチブル星人の正体を現した。
ウルトラセブンはエメリウム光線でなんなくチブル星人を倒し、子供たちを使った地球侵略計画を未然に防いだのだった。

My Opinion
アイディアはとてもよかったが、攻撃力を完全に地球の子供たちに委ねてしまったというのがチブル星人の敗因だろう。
本当に子供が地球の敵になったら、果たして大人はそれに対して武力行使をして対抗できるのだろうか...そこがこのエピソードの最大のテーマといえる。
しかし、1年もかけて子供に武器の玩具を売る労力があるのなら、チブル星から部隊を率いて一気に攻撃した方が手っ取り早くはなかったか。
まして、子供たちを兵隊にして地球侵略がうまくいったとして、そのあとの子供の処分はどう考えていたのだろうか。
さらに催眠周波をつかって奴隷にでもするつもりだったんだろうか。
「頭脳宇宙人」という肩書きがあるわりには、案外浅はかな計画で地球侵略を企てたチブル星人といえるだろう。

ちなみに「チブル」とは沖縄のことばで「頭」の意味だとのこと。
メインライター金城哲夫とこのエピソードのライター上原正三はともに沖縄出身である。


放送No.10(制作No.7)
怪しい隣人 

台本名=「怪しい隣人」
脚本=若槻 文三/監督=鈴木 俊継
放映日:1967年12月13日
異次元宇宙人 イカルス星人
(身長/2.5〜40m 体重/0.3〜1.8万トン 出身地/第17惑星イカルス星)

STORY
地球防衛軍基地近くの別荘で交通事故の療養をしている水野アキラ少年は、隣の家の24時間背を向けたまま座っている不審な男を観察中、庭の空中に鳩が死んで停止している異変をウルトラ警備隊に通報する。
そこでダンとアンヌ隊員は現場に急行し、ダンは単身、その空間の亀裂に飛び込む。
そこは不審な隣人に変身した第17惑星のイカルス星人が、地球侵略用の前線基地を置く四次元区間だった。
イカルス星人は不気味な男に変身し、二ヶ月ほど前に別荘地の洋館を購入した。
そして地球と四次元空間を連結するコントロール・マシンの中枢部分を密かに組み立てていた。
侵略者はそこから宇宙船で地上攻撃を展開したが、四次元空間から脱出したダンはウルトラセブンに変身、巨大化して身体から流星弾を放つイカルス星人を倒す。

My Opinion
「住むには苦しい世界だ。しかし地球を攻撃するのにこれほど安全な場所はない。」とイカルス星人はのたまっていた。
たしかに人間の世界からは見ることもできないのだから、きっとどんなことでもやりたい放題だろう。
しかしこのイカルス星人、この容姿からはそんな知的な侵略計画を企てるようにはみじんも感じられないし、実際セブンと戦うときも肉弾戦ばかりでぜんぜん知的じゃない。

DVDを見ていると、ダンは急に少年の2階の部屋からダイビングして四次元空間に飛び込むようにしか見えず、あまりの唐突さに見ている方は首を傾げたくなってしまう展開なのは否めない。
しかもダンは、四次元空間をコントロールしているマシンを、ウルトラガンで破壊するという暴挙までおかしている。
普通に考えると、それを壊しちゃったら四次元空間の出入口を生成できなくなっちゃうんじゃないか?と心配してしまうのだが、そういうことはナシに無事に脱出している。

また、四次元空間でダンはウルトラ・アイを「ジュワッ!」とやるのだが、変身できなかった。
さらにカプセル怪獣を出すべくいつものようにカプセルを投げるのだが、何も現れなかった。
フィルムをよく見ていると、ダンがカプセルを保管している箱の中には5個のカプセルが入っているのだが、実際に劇中に出てくるのはウィンダム、ミクラス、アギラの3匹だけで、あとの2つはナゾである。
このときに投げたカプセルがそのナゾの2つのうちのひとつであると考えられている。
しかも、いつもは「ウィンダム、行け!」とか云いながら投げるのに、このときは何も云わずに投げているので、その怪獣がなんという名前なのかもナゾとなってしまっている。


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