空想特撮シリーズ
全48話ストーリー(第30話〜第34話)


放送34(制作35)
蒸発都市


台本名=「蒸発都市」
脚本=金城 哲夫/監督=円谷 一
放映日:1967年5月26日

発泡怪獣 ダンカン
(身長/40m 体重/15,000トン 出身地/宇宙生物ダンカンがなんらかの生物に変身した)

STORY
第6管区内の都心ビル街を夜間パトロールしていたソガとダンの両隊員は、異常なカッター音をたてる不審な道路工事を発見した。
工事の作業員に詰問するも彼らは応えない。
そして突然、近くに駐車中のワゴンが、両隊員に発砲しながら猛スピードでその場を立ち去った。
それを二隊員はポインタで追う。
ワゴン車のタイヤをレーザで破裂させて停止させるが、怪光を放ってクルマは蒸発してしまう。
唖然としてそれを見ていたソガとダン、そのあとを追ってきた警察官一名
同様に消えてしまった。
音信不通になってしまったことで、
ウルトラ警備隊は調査に乗り出す。

翌朝、そのビル街の一区画も蒸発してしまう。
そんな折、ウルトラ警備隊は霊媒師ユタ花村から会見を申し込まれる。
地球防衛軍タケナカ参謀、フルハシ、アンヌの三名はユタ花村と対面、この霊媒師を通し、一連の事件が宇宙生物の仕業であることを聞かされる。
宇宙生物は一時的な宇宙乱流を避けるため地球の住人となることを宣言、そのためにビル街を居住区として略取したとのこと。
そして地球人がその居住区を侵さない限り、地球に危害を加えるつもりはないという。
ソガとダン、そして略取した区画にいた地球人は、その人質となってしまう。

ウルトラ警備隊は略取された区画の捜索を開始した。
ドライブインで休憩中に、フルハシとアンヌは偶然にもビル街を発見。
キリヤマ隊長とアマギもウルトラホーク一号で合流し、宇宙生物の居住区に潜入する。
そこにはビル街ごと蒸発させられた地球人が、そのときの状態に固められて街中に立ちつくしていた。

居住区内に潜む宇宙生物は、固まった地球人の目をカメラ代わりにして監視していた。
そして自分たちがウルトラセブンを意のままに操ることができることを、ユタ花村を通して地球防衛軍本部へ電話にて宣告。
ダンは催眠術をかけられていて、宇宙生物の命令にしたがってウルトラセブンになる。

ビルの陰から現れたウルトラセブンをアンヌが見つけ一瞬喜ぶものの、すぐにその様子がおかしいこと気づく。
そしてウルトラセブンは、駐車中のクルマをウルトラビームで破壊、拳でビルの破壊し始める。
それを唖然として見つめるウルトラ警備隊の面々にも、アイ・スラッガを放つ。

一方、宇宙生物の潜伏先を探知機で捜索していたフルハシは、ついにそのビルの一室を発見。
突入して宇宙生物をウルトラガンで射殺し、ウルトラセブンを操っていたマシンを破壊した。
ところが宇宙生物は死なず、泡状になってビルの外へ逃げ出して発泡怪獣ダンカンの姿になる。

マシンが破壊されたことでウルトラセブンは正気に戻り、ダンカンと対峙する。ダンカンは見かけによらず強く、ウルトラセブンは苦戦する。
しかし最終的にダンカンは戦意を喪失し、逃げようとするのをウルトラセブンはエメリウム光線で攻撃。
ダンカンはブクブクと泡状になり、しだいにわすかな粉状になってしまう。
そしてビル街を一陣の風が吹き、その粉もチリヂリに吹き飛ばされてしまった。

My Opinion
ひさびさにDVDを視直してみたが、ツッコミどころ満載のエピソードである。
先日、ほしくもないダンカンのフィギュアを引き当ててしまい、かといってそのままにしておくのも悔しいのでストーリを更新してみた。

さてさて、キリヤマ隊長にしてもフルハシにしても、不審なものを見るとその対象がなにかも確認せず、やたらと発砲する。
しかもキリヤマ隊長は、ヘリで捜索中に平原に発見したブクブク状のものを「とりあえず攻撃してみよう」などと云い出す始末。
こんなのが管理職だったら、実際コワイかも。

フルハシとアンヌがポインタで捜索中、ちょっと休憩とかでドライブインでコーラなんぞ飲んでいるシーンがある。
そこでフルハシは「あの霊媒師の云うことはどうも信じられない。デタラメだよ。探しても見つからないから、早く基地に帰ろう」などと早くも任務放棄の兆し。
アンヌが「冷たいのね」と云うのに対し、あまつさえ「あぁ、よく冷えてるよ」とコーラを掲げる始末。
「コーラじゃないわよ。仲間が捕まっているときに、よくこんなものが飲めるわね」とアンヌはフルハシからコーラを奪い取り、地面に全部こぼしてしまう。
最初はなんの関係があるシーンなのかと思ったが、ふたりがコーラの炭酸がシュワーっとなっているのを眺めているうちに、ドライブインから臨む平原に泡がブクブクと発生し、そこから蒸発した都市が姿を現すというようにオーバーラップして繋がっていく。

ビルに潜む宇宙生物を発見して突入したフルハシは、有無を云わさず射殺。
そのうえ宇宙生物がいじっていたコントロールマシンに関しても、近づいてよく見ることもせず、いきなりウルトラガンで破壊してしまう。
普通はとりあえずスイッチを切るとかするんじゃないか?

最後にウルトラセブンがダンカンを退治してソガは無事に救出されるが、ダンの方はほっぽらかし。
ウルトラ警備隊は「いやー無事でよかったよかった」などと談笑している。
しかも宇宙生物によって別の場所に移されてしまったビル街もまだ元に戻っていない。
そもそもその宇宙生物をやっつけてしまったら元に戻せないんじゃないか?
あのあと地球防衛軍が莫大な費用を捻出して、移設工事を行ったのだろうか?

と、こんな具合に、なんとも中途半端な感じでこのエピソードはエンディングを迎えてしまうのだ。
いやはや...


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