『函館の印象』


崔 玲
 
 函館に来て早いもので、五ケ月になろうとしています。        
 中国で、日本語の勉強をしていたと言え、会話の自信もなく、また日本の
 知識もほとんどないまま、ただ里親を頼りに単身で日本にやって参りました。
 今思うと冒険に等しい行為だったと思います。            
 そして、もう日本に来て五ケ月、ほんとうに早いものだと思います。今で
はある程度日本人とも会話ができるようになり、また、自分で買物もできる
ようになりました。                         
 中国にいたころ想像していたより函館の町はきれいで、そこに住む人達の
マナーのよさに私はただただ驚き、感心致しました。          

  たとえば車を運転している人達がお互いにゆずり合い手を上げてえしゃく
し合う光景は中国ではあまり見ることはありません。それと、びっくりした
のは函館にカラスがとても多いことです。中国でカラスは不吉な鳥としてあ
まり歓迎されない鳥なのです。                    
 見るもの、聞くもの、私にはやはり珍しいことばかりです。そして私の第
二のふるさとは日本と言うよりここ函館ですと胸をはって言えるように函館
のことをたくさん知りたいと思います。                
 私が住んでいた延吉市には海がありません。海へ行きたくてもとても長い
時間がかかりますので私達はあまり海へ行く機会はありません。私はここ函
館に来て海のすばらしさと大きさを知りました。            

  日本にいる二年間のあいだに私は吸収できるものはすべて吸収して中国に
多くの思い出と土産話しを持ち帰りたいと思います。          


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