『北京便り』


古賀 久美子


 無事、北京中央民族大学に到着。                  
 れんぎょう、木蓮、梅が咲いてます。日中は十八度位とか。とは言っても
まだまだコートは脱げない毎日です。                 
 夜はスチームのない部屋で結構冷え込んできます。          
 三月二十五日、入学式がありました。各人のレベルをみる考試があって、
私は初級二班です。                         
 モンゴル人(ウランドール)の伊琴と韓国の崔さんとインドネシアの莉麗
と、私と同室の井上志花さんを除けばあとは皆日本人男性の若者です。志花
さんは、大阪からの交換留学生。                   
 福岡の人が多いので博多弁がとびかっています。沖縄の学生も十人まとま
ってやってきています。                       

  宿舎十七号楼は出来たてですが、どこも同じの共同トイレ、共同浴場をご
想像下さい。                            
 教室へは志花さんと共同出資して自転車四百元を二分の一出資して荷台に
 乗せてもらって自転車通学しています。今のところ遅刻もせず通っています。
 教科書は言語学院のを使ってますが幸いなことに全て新しいので初心にか
えって楽しんでいます。                       
 私たち二班の老師は三人。ロ語・胡老師、語法・傑老師・聴力・郭老師。
聞くところによると、一番よい老師が集まっているとのことです。    
  そのせいでしょうか、八時から十二時まであっというまに時間がたちます。
クラスメートも和気あいあいで、さっそくひとりの若者の床やさんをしてあ
げたところ、好評で次々と殺到しそうです。              

  今のところ食事は作っちゃいけないとのことで(何故か韓国人は毎日作っ
て食べている?)しょうがないのでもっぱら容器を持って行って副食と主食
を買って部屋でお隣の二人と一緒に仲良く割カンで一人当り二〜三元の夕食
です。昼食はすぐ食べたいので拉面を食べたりやきいもだったり餅だったり
します。                              
 学内で果物も手に入るので、朝食はパンとミルクコーヒーとりんご等々を
食べて上課しています。                       

  キャンパス内で色んな楽器の音色が聞こえてきます。いきなり着いたすぐ
の頃音楽会があって、コンクールで一位と三位をとった附属中学・小学の子
供を含めての音楽会が楽しめました。やはりさすが北京と感動してしまいま
した。                               
 留学生楼前が公園なので練習しているバイオリンや管楽器の人をよくみか
けます。                              

  先週、志花さんが会った美術研究生と知り合いになり、彼の作品を色々と
見せてもらい友人の塔吉克族の阿迪夏さんと出合うことができました。彼の
絵は今度お会いした時みせてもらう約束をしました。彼達の学費は年間六千
元で自費とのことです。聞くところによると絵が時々売れるようです。  
 暖かくなってきたので、早くバトミントン、テニスをしたいと話しあって
います。                              

  北京でベドフランスパンの美味しい店をみつけました。ここのは美味しい
です。特に、焼きたてを店で食べるのは最高のゼイタクです。      
 四月末には大阪の友人が来るので、迎えて一緒に西安に旅する予定です。
 では、再見。                           
                              四月八日
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