『中国レポート・春節』


中国人にとって最大のイベント
 
 春節の数日前からいたる所に市が立ち、正月用品新しい衣服を買う人でごっ
た返す。(暮れのアメ横どころではない)                
 春節に向けての準備が始まる。親戚に挨拶周りの品物(麺、酒、ブタ肉のか
たまり、おかし等)買いそろえる。経済に反して以外に派手である。    
 正月の準備が整った所で夕食となる。その夜近所の主婦が来て、いっせいに
餃子を作り始める。夜十二時になると、この餃子を食べるという(これは日本
で言う年越しソバの代わり)沢山食べた分だけその年に富が来ると言う。  

 元旦の朝からズートこの餃子を食べ続けるのです。中身は各家庭によって少
々異なりますが、Wさんの家では、ブタヒキ肉+白菜、ニラで作る。肉を食べ
ない私には、豆、卯、ニラで作ってくれた。               
 餃子を食べ終わった頃、ババーン、ドーンという音と共に体に爆弾を打ち込
まれたような衝撃を受ける。家の窓ガラスはピリピリと音を立てる。これが、
あの爆竹音なのだ−。それから、どの家からも爆竹が鳴り響き、春節の幕開け
になる(約一週間昼夜を問わず鳴る。この音のすごさで、三日間は睡眠不足と
なる。)                               

 元旦の朝、お父さんが枝に付けた爆竹を私に渡してくれ、火をつけてくれた
(一連が20個ついており一つの大きさが人差し指位、これを3−4連枝に付
け、一連ずつ火を付ける。3〜5連の爆竹がいっせいに火をふく)すさまじい
音、光、煙、そして体に受ける衝撃、振動で枝をもっていることができない。
ギャーと飛び上がりお父さんに枝を返し、背中の陰で爆竹の鳴るすごさに驚く
ばかり。                               
 このダイナミック、スリルはスゴイ!!こわいけれど興奮する、一度やった
らやめられない。政府は爆竹使用を禁止しているが、農村では依然、春には爆
竹を鳴らすという。でも私にはわかる。                 

 元旦から親戚、友人宅へ新年の挨拶まわりにでかける習慣があり、Wさんに
連れられて挨拶まわりに行く。又、村人から招待を受け、一日数軒まわる。こ
の時は中国流の乾杯を強いられ、礼に反すると、一気に飲み干さなければなら
ない。白酒、ビール瓶があっという間にカラになっていく、人々の飲みっぷり
の良さに、さすがの私もタジタジになる。                
 この間、かならず餃子でもてなしてくれ、日に何度食べ続けても飽きること
はない、本当に美味しい!!                      
 農村社会では女性がお酒を飲むことはない(はしたない女性とされるため)
 が、私は外国人、この村にとって大切な客のため、お酒を飲むことが許される。

 この春節の時、妻は自分の実家に泊まりがけで出かけることができる。子供
も一緒、夫は同行しない。又、夫の実家には妻は同行しない。       
 今の、友人と酒を飲み、食事をすることが唯一の楽しみで、この時のひとの
輪を大切にします。春節というセレモニー、宴も同様人との交流の場でもあり
ます。質素、素朴でしたが、とても楽しく春節を送ることが出来ました。  

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