Top>>>Column>>>教育実習裏話>>>
8日目
The education practice inside story
<<< back 教育実習裏話 menu next >>>
6月7日
教育実習8日目 |
本日いつもより1時間早く来る。
「来れたら早めに来て手伝いお願いします」との要請が昨日の総括の時にあったからだ。
うう、眠い。しかもガンガンに晴れてる。暑くなりそうだなぁ。
鞄が重い。
教材は入っていないが、代わりにジャージとTシャツ、外履きが突っ込まれているためだ。
あー、寝てたい。
とりあえず着替えて本部のある体育館下の朝礼台のある辺りに皆集まる。
しかしどうやら何もやることはないらしい。
高校出身者は皆クラスTシャツを着ていた。
俺も例に漏れず。
こんな時じゃないと着ない(もとい、着れない、と言った方が正しいか)デザインだからなぁ。
因みに俺の着ていったのは、一年の時の代物で、あからさまにラ○ステとナ○キに訴えられそうなデザインのもじりである。殆ど着てないから綺麗なもんだ。
たむろってるとき、生徒会担当の、俺の担当教師が出てきた。球技大会関係なのだろう・・・・って、センセイ?
いい歳した日焼けしたおっさん(失礼)が着ているのはドピンクのTシャツ。あまつさえ、その背中にはキャンディーキャンディーの笑顔がでかでかとプリントされている。
そしてはいているジャージの色は紫。
無茶苦茶似合わねぇ。
よく、担任持っていたりするとそのクラスのクラTを着たりするが、ここまで凶悪に似合わない人、初めてみた。
確か生徒会担当だからクラス担任ではないはずなんだが、何故にアレを着ることになったんだらう。深くは追求したくない。
あからさまにやること無いことを確認した後、開会式まで一旦控え室に戻る。
なんか疲れそうやなぁ。いまいちこういう行事ものに乗り切れない人だからねぇ、俺って。
はてはて。
開会式は9時からであるが、やはりというかなんというか大量の遅刻者がいるので、結局始まったのは9:15である。
生徒達が並んだ後方に、俺らがたたずむ。
開会の言葉がわりに、毎年恒例、球技大会実行委員による催しが始まる。
なにやら下手な化粧及びカツラと派手な衣装、そして青ひげな扮装をした委員達が壇上に上がる。
イスに座り、流れてきた音楽と共に踊り始める。
コンセプトは新宿2丁目のオカマらしい。
よって、踊りで腕を上げるときには皆脇を隠す。
ああ、脇毛隠しか。
こんな感じで踊りが終わる。
すると、開けてあった中央通路部分の後方からサッカーユニフォームを着た数名がオカマのいる朝礼台に向かって走り込んでいく。
そして始まる、選手宣誓。
「我々オカマはースポーツマンシップに乗っ取りー」
とお馴染みの内容。
「正々堂々と戦うことを誓います」
言葉終了と共に、右手に持ったひもをぐっと引っ張る。
視界を左方に移すと、校舎に備え付けられたくす玉が割れ、『2002年○○(学校名)カップ開幕(だったはず)』という垂れ幕が下がった。
沸く生徒。相変わらず凝ってるねぇ。スローガンはいつも同様、なんかのパクリである。
今年はワールドカップだからそれのもじりか。そういや、実習開始日と同時に始まってたなぁ。
この後は普通にラジオ体操である。
何年ぶりだろう、ラジオ体操まじめにやるのは。
体操後、各々の競技場所に別れる。
今年は5種目である。バスケットボールは体育館、バレーボールは体育館と校庭の半々、ドッチボールは校庭、卓球はオレンジの間(教室2つ分くらいのフリースペース)、玉入れは屋上である。
前4つは前々からある競技だが、玉入れは新設だ。
「運動が苦手な人でもできるもの」という理由で作られたらしい。
ドッヂボールも普通のコートになったんだ。
俺らの時は円形で、これを4分割して行っていた。コートが狭いわ、上級生はえげつないわで1年の時心底、
「2度とドッチボールは選ぶまい」
と思ったね。
競技が始まると、俺ら教育実習生のやることは応援のみである。
昔は各優勝チームと実習生の試合、というものがあった。
しかし、2年前に実習生チームが勝ってしまったことから、次の年の実行委員の話し合いにより
「実習生は応援のみということで」
となり、今年もそれが踏襲されたらしい。
つまんねー。
うろうろと見て回る。
やっぱり3年生は強いねぇ。
まず気迫からいって違うし。
一応、HRクラスの応援に行く。
順調に勝ち上がっているのはバレーボールである。
うわー頑張ってるねぇ。
一生懸命応援し、得意そうな担任体育教師。
本当に熱血だ。
実習生を見ていてもおもしろい。
生徒に引っ張られていくもの、先生として生徒にとけ込むもの、生徒と全く見分けの付かない、「生徒」としているもの、木陰で涼んでいて生徒に揶揄されているもの、監督然としてどすっと構えているもの、日焼け止めにつば広の帽子で日焼け防止対策万全なもの、日陰で休み放しのもの等々、色々だ。
俺はと言うと、3年かずっと、自分の出番が終わると、ある程度勝ち上がるまで応援に行かずに教室でぐーたらしていたので、この「待ち」の時間はなかなか辛い。
そんなわけで平穏を求めて控え室に戻る。
冷房も効いてていい感じである。快適だ。
先客がいた。
「休憩?」
「うん、少ししたら行こうかと。」
しばらくいると他の人も戻ってくる。
「お疲れー」
「涼しいー」
そのまままったりしていると、放送が入った。
「試合時間が押していて昼休みがとれません。昼食は各自で取ってください」
とのことだった。
「じゃぁ飯食うか」
そのまま食べ始める。
飯食った後、寝られれば最高なんだけどなぁ。
んなこと現実にはできるはずがない。
あーあ。
暇そうなスミに誘われ応援活動に勤しむ。
「玉入れ見に行った?」
見に行ってないや。
「じゃ行こう。」
玉入れ会場は屋上である。
玉落ちたら拾いに行くの大変そうだなぁ。
昼食後のせいか、はたまたもとからそうだったのかはわからない。
玉入れはやる気のない人の集まりであったことは確かだった。
現に、一チームは「来なかった」事により、不戦敗となっている。
屋上初めてきたなぁ。3年間通っていたにも関わらず、一度も足を踏み入れたことがなかった。
屋上の角から校庭を眺めている長身の教師発見。
俺一年の時の担任だ。
「先生お元気ですか」
何とはなしに話し始めた。
昨年実習に来た姉の話から、昨今の生徒事情、そして吹雪やきゅーてぃの行方。
生徒事情は、「全体的に幼くなっている」そうだ。精神的にである。
「君たちの頃に比べて、大分そんな傾向がある」
そう言っていた。そうなのかぁ。自分との比較だから、自分自身ではわからないが。
「吹雪さんとかどうしてますか」
「吹雪はイラストとかそっちの方に進むようです。」
「ああ、そんな感じでしたからね」
「きゅーてぃは無事就職決まったそうで。」
「良かったですね」
・・・・・この先生、良く覚えてるなぁ。
後日冗談で吹雪と言っていたのだが、
「きっとこの先生は自分が持った生徒は全員覚えているだろう」
冗談ではなく、本当にそうかも知れない。
1C担任然り、この先生然り、教師というものは得てして記憶力が抜群に良い人々なのだろう、恐らく。
しばらく話した後、別れる。
スミに、
「1C勝ってるみたいだよ」
と聞き、応援に行く。
体育館、バレーボール。
一年対一年の決勝。珍しいパターンだ。
大抵、3年生の恐ろしいまでの気迫漂う決勝となるのだが。
ここまで勝ち上がってくると、流石に雰囲気が違う。
双方健闘した。
結果、残念ながら1C負け。
惜しかったな。
15時もかなり回った頃、ようやく閉会式となった。
朝同様、生徒が並ぶ。
俺らは後ろには行かず、前の方で固まっていた。
各種目、3位まで表彰されるが、やはり1年が1,2位を取っているのは他にはなかった。
総合優勝は勿論3年。
そして、球技大会実行委員から閉会の言葉が語られる。
あ、今年の人は泣いた。
結構こういうことがある。感動できるとこまでがんばれるから、毎年球技大会も続いていくのだろう。
俺みたいにやっつけ仕事でやる奴に任せたらきっと、次の年からはあっさり恒例行事からはずれるな(確信)。
クラスメイトの励ましの言葉で何とか言葉を綴り終える。
贈呈される花束。
ほんとうに、お疲れさまでした。
実習生は控え室に引き上げる。
生徒と共にクラスに行く人たちもいる。
勿論、俺は前者。
クラスによっては打ち上げをやっているのだろう。
そう言えば、3年の時優勝記念に打ち上げやったなぁ。
自販から大量にジュース類買ってきたのは良いとして、宅配ピザを頼んでくれた人がいたのだが、『学校宛』だったので、即行怒られたっけ。
今日は部活動は一切無いため、自由下校である。
あー、疲れた。何もやってないのに、というか何もやってないから疲れたのかもしれない。
今日良かったことと言えば、授業が一コマ潰れたことか。
・・・・このときは純粋に「良かった」と思ったのだが、後ほどこれが尾を引くことになるとは、この時点ではそんなに思っていなかった。
|
教育実習裏話
球技大会
<<< back 教育実習裏話 menu next >>>
|