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OTS(大阪港トランスポートシステム)のお得な切符

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以下の文章は、2005年6月末までの状況に基づいて書かれたものです。
2005年7月1日にOTS線は大阪市交通局が運営することとなり、OTS線の理不尽に高い運賃がようやく解消されました。



 一日乗車券+OTS全線  一日乗車券+OTS全線 
旧券
有効期限無し
新券
有効期限最大2ヶ月


運賃が高いと不評のOTS(大阪港トランスポートシステム)
大阪人にとって「高い」ということは、それだけで他の全てのメリットをうち消す十分な力を持っています。

OTS線は、 の二つの路線から成り、それぞれ地下鉄中央線、ニュートラムが乗り入れしています。

ただし、中央線とニュートラムは車両の規格が違うため、コスモスクエア駅で乗り換えなくてはいけません。

路線図(PDFファイル)を見ても判るとおり、OTSと市営地下鉄は実質は「相互乗り入れ」などというものではなく、OTSが市営地下鉄の一部分であるといっても過言ではないでしょう。

OTS沿線はATCやWTCといった施設はあるものの、定住人口がほとんどゼロなので、OTS線だけ(コスモスクエア〜中ふ頭等)の利用者はほとんどなく、OTS線利用者の大部分は必然的に市営地下鉄と乗り継ぐことになります。

で、この乗り継いだ場合の運賃が異常に高く、梅田や難波との往復が1000円近くかかります。(→運賃一覧表
おまけに別会社(第3セクター)なので、大阪市交通局発行の一日乗車券(850円)・ノーマイカーフリーチケット(600円)は使えません。

かといって梅田からATCとかに行くのに住之江公園周りで行くのもバカバカしい。(中ふ頭駅からATCまで歩けます)
OTSを少しでも安く乗る方法は無いのでしょうか。(キセルぢゃないよ)


・・・ありました。

「シティハイクOSAKAきっぷ」なるJRの周遊券みたいな切符に付いてくる一日乗車券は、通常の一日乗車券とは違い、OTS線も乗ることができるのです。
(上の写真参照)

大阪に来る周遊券とセット販売のみのようなので、当然周遊券を買わないと手に入りませんし、そもそも大阪ではそんな周遊券売っていないでしょう。

発売エリア内に親戚とかがいる人は、大阪に来るときに「シティハイクOSAKA」で来てもらい、一日乗車券だけ買い取るという方法もありますが、そんな人は少数派でしょうから、手に入れる方法として考えられるのは、
くらいでしょう。

Y!のオークションなどではこの券はたまに出品され、1枚700〜800円程度で取り引きされているようです。
(「シティーハイクOSAKA」で大阪に来たけど地下鉄使わなかった、という人が出品しているようです)

また、梅田や難波などの金券ショップをくまなく探せば、置いている店もあります。
一日乗車券を扱っている店で「OTS使えるやつありますか?」と訊けば、在庫の中に何枚か上の写真のカードが混じっている場合があります。
ちなみに価格は通常の(OTS使えない)一日乗車券と同じです・・・(うれしいやら悲しいやら)


この切符、市営地下鉄の一日乗車券と同じく、自動改札に通すと日付が印字されるタイプのカードですが、
「OTS線のコスモスクエア、トレードセンター前駅は改札機をご利用いただけません。係員にお示しください。」
と赤字で書かれています。
(コスモスクエア駅から乗る場合はどうやって日付を入れるのでしょうか? 他社線からの乗り継ぎの場合は?)

今どき、関西の私鉄で自動改札機を通れない切符もどうかと思いますが、要は裏面の磁気情報が通常の一日乗車券(OTS不可)と同じなんです。
(案の定、コスモスクエア駅の自動精算機に入れると230円請求されました。)



そもそもこの切符、なぜセット販売のみで、券売機で普通に売ってくれないのでしょうか?
多分、価格設定に問題が出てくるからではないかと思います。
(写真でも判ると思いますが、この切符、値段がどこにも書いていません。)


一日乗車券が通用区間内の2地点間の往復運賃より安いことは通常あり得ないので、この切符を単品で発売するとなると、その値段は、

 【地下鉄5区+OTS】×2=1140円

より高くなるはずです。
一方、市営地下鉄のみの一日乗車券が850円、OTS運賃が230円なので、

 【一日乗車券】+【OTS×2】=1310円

よりは安くなるはず。
となると、この切符の単品の値段は必然的に1150円〜1300円ということになります。
(ちなみにスルッとKANSAIの3日間乗り放題切符は5000円なので、一日当たり約1650円です。)


しかしこの切符、オークション・金券ショップでは700〜800円程度で取り引きされています。
当研究会では、この値段の差がまさに利用者の正常な金銭感覚とOTSの経営感覚のズレであり、『顧客満足度最低の鉄道会社』と某所でボロカス書かれる理由の一つではないかと考えています。
(そもそも初乗り料金を2回取るためだけに作ったような会社なので、仕方ないのかもしれませんが。)


まぁこの問題はOTS側も中途半端に認識しているようで、その結果「周遊券とのセット販売のみ、大阪での販売はしない」という、ある意味日常の利用者をバカにした切符が誕生したのだと思います。


結論。

「OTS高すぎ」


このページを読んだ皆さんは、是非OTSをお得に乗りこなしてください。
(普通に梅田とかと往復するだけでもこの切符を手に入れた方がお得です)
(研究会メンバーもたまに利用しますので、あまり買い占めないでくださいね;;; )
(そもそも南港咲洲・コスモスクエア地区は2人以上ならOTS利用より車の方が絶対お得。1日800円の駐車場が結構あります。→駐車場情報


また、職場がベイエリアにある等の理由で毎日OTSを利用しなければならない方は、是非「迂回定期って知っていますか?」もご覧下さい。お得です。



(追加情報1)
市バスの44A系統なら弁天町〜中ふ頭間が200円です。標準所要時間24分。通常の一日乗車券も使えます。
このバス、ATC・WTCのすぐ横を通って行くのですが、停留所は無いです。
市交通局 vs.OTSで縄張り争いをせず、もう少し利用者の立場に立ってバス停の設定をしてほしいものです。
 →路線図
 →乗車体験記(昔は港大橋(阪神高速)を通るバス路線があったそうです)



(追加情報2)
カードが新デザインとなりました。(2003.4.1発売分より)
日付の印字が表面から裏面に変更され、表面は大阪城・通天閣等のイラストとなっています。
(ATC・WTCは姿を消してしまいました・・・)
使い方は従来の物と同じですが、OTS線内の駅でも自動改札機を使えるようになっています。
また、カード表面に「引換専用乗車券」とわざわざ印刷され、さらにはカードに有効期間(最大2ヶ月)が設定されるなど、シティ・ハイク利用者以外の人(=大阪人)が使うことに対しての警戒感が読みとれます。
このような販売方法は明らかに日常の利用者をバカにしていると思うのですが・・・

(皮肉なことに、有効期限が設定されたことによってオークションでの相場が若干下がり、シティ・ハイク利用者以外にも利用しやすくなりました。)



(追加情報3)
シティ・ハイク大阪街遊びきっぷがシティ・ハイク大阪街遊びきっぷに改称されました。(2004.4.1以降分より)
変わったのは名前だけかと思いきや、「2人以上限定の切符」に変わってしまいました。
要は1人での観光や出張には使ってくれるな、ということです(怒)。
どうしてこうも毎回利用客をバカにしてくれるのでしょうか。
「大阪は「集客都市」をめざしているんじゃなかったんでしたっけ?」とイヤミの一つでも言いたくなります。
まぁJRに言っても仕方ないのかもしれませんが。



(追加情報4)
上記のシティ・ハイク大阪街遊びきっぷも2004年12月末で販売中止となってしまいました・・・
Y!のオークションでも有効期限のない旧券の相場が上がってしまい、なかなか手が出なくなってしまいました。



<参考資料>

(株)大阪港トランスポートシステムの運賃
(OTSの自前のwebページは無いので、大阪市交通局のページの中にあります。港湾局の外郭団体のはずですが・・・)
http://www.kotsu.city.osaka.jp/information/route/a_102.html

OTSの野望
http://www.mifuru.to/frdb/data/kk110t.htm(全体計画)
http://www.mifuru.to/frdb/data/kk110m.htm(全体計画路線図)

(株)大阪港トランスポートシステム経営状況
http://www.interq.or.jp/osaka/xgorin/material/OTS01.htm
http://www.city.osaka.jp/shichoshitsu/gaikaku/ots/kanri.pdf




       


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