●債務超過とは?
債務超過とは、会社の負債総額が資産総額より多い状態で、
現時点で会社の資産をすべて売却・清算しても借金だけしか残らない状態のことです。
通常、債務超過の企業は「
破綻懸念先」とされ、中でも、
・
債務超過かつ赤字、あるいは
・
債務超過の解消が見込めない
に当てはまる企業はいつ破綻してもおかしくない、いやもっとハッキリ言うなら
すでに破綻している
企業であるといえます。
●では、どうすれば良いのか?
債務超過の解消方法には、粗っぽく分けて
・
経営を立て直す
・
借金を棒引きしてもらう
という二つの方法があります。
まず一つ目の『経営を立て直す』ですが、
一般的に三セクは
コスト意識が乏しいといわれており、
経費に多少の削減の余地はあるかと思います。
しかし、年間数十億円にも及ぶ赤字を経費削減だけで埋めるのは不可能でしょう。
経費の削減に限界があるとなると、収入の増で赤字を解消しなければなりません。
しかし、収入の核となるであろうテナント料については、今後も大幅な増収は
見込めないうえに、今後1〜2年で市内中心部で大型オフィスビル・商業ビルが
次々オープンし、東京の「オフィスビル2003年問題」と同じく、
アクセスも悪く割高感のあるベイエリア・コスモスクエア地区は敬遠される傾向が出るものと思われます。
(WTCの家賃は梅田と同水準らしいです。)
また、WTCに至っては、空きフロアを市役所の各部局が借り上げて
テナントとして入居することで埋め続けた結果、
テナントの7〜8割は役所とその外郭団体となってしまいました。
(ATCにも消費者センター等が入居しています。)
今や、大阪南港WTC(World Trade Center)ではなく、
大阪市役所南港庁舎です。
→
大阪南港WTC テナント一覧
しかも
全体の入居率は100%に近いのに年13億円(平成14年度)の赤字という有様です。
入居率がほぼ100%なのに、赤字のビル。
いったいどうやったら黒字になるというのでしょうか?
・
となると、次に出てくるのが『借金の棒引き』です。
債務超過、かつその額が増大しているATC、WTCは、
借金を返せる見込みが無い状態
であるといえます。
これまでも、銀行への借金返済のために大阪市が数百億円の超低利貸付を行うなど、
経営はまさに破たんしており、
銀行に対して債務放棄を行うことで
表面的なバランスシートは改善されると考えられます。
しかし、債権放棄を行ったととしても、営業収支がマイナスである現状では、
傷口は広がっていく一方です。
借金棒引きはあくまでも経営の建て直しが前提となるわけで、
経営改善の余地が少ない不採算企業に対する債権放棄は誰のためにもなりません。
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結論。
少なくとも現状では、
ATC、WTCは一刻も早く会社を清算、法的整理し、
これ以上税金を投入しないことが
被害を拡大することを防ぐ最良の策です。
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そういえば、破綻したシーガイア(三セク)では
「更生法申請は倒産ではない。再建への第一歩だ。」
とか言って誰も責任取らなかった(ォィ)みたいですが、
破綻以来、「再建した」という話を聞いたことがありません。